日本を脱出してカナダに遊びに来る方も多い時期になりました。レンタカーを借りに来る日本からの旅行客の一言目は「涼しい!」。日本は四季があって豊かな文化が育まれたと小さい頃、学校で習ったのですが、今の方にすれば暑すぎる夏対策で文化どころじゃないと言いたくなるのでしょう。日本の皆様、誠に申し訳ありません、涼しいバンクーバーから熱い話題をお届けします。
では今週のつぶやきです。
パウエルショックとトランプショック
投資家や市場関係者からすれば「冗談じゃない」と言いたくなるでしょう。パウエルFRB議長の何が悪いってプレゼンテーションが余りにもへたくそ。「今回が一連の利下げサイクルの始まりではない」というのは記者の質問の誘導に乗ってしまい出た発言ですが、イエレン前議長なら「統計等を見て時々の情勢で決める」としか言わなかったでしょう。パウエル議長は記者に利下げのサイクルに入った云々は発言する必然性は全くなかったのです。
ではトランプ大統領の翌日の中国に対する追加関税の発言は何だったのか、であります。非常に勝手な深読みをすればパウエル議長の失望させた判断と説明に対してちょうど中国との貿易交渉が再開された中で米中間の通商問題を更に揺らせばパウエル議長は動かざるを得ない、という「報復発言」だったのではないか、とも取れます。
市場の予想では次の利下げの可能性は10月とされます。7月の利下げそのものが緊急時を別として過去、あまりないパタンで通常は3,6,9,12月の仕切目に政策金利の変更が行われました。確かに過去は議長の記者会見がある月とない月の関係もありましたが、経済動向を3か月のタームで見るという意味もあったわけです。個人的には以前から予想しているように9月にもう一度利下げはありうると思います。議長は「パウエルバッシング」に耐えられないかもしれません。
日韓関係。全くかみ合わない議論はもう勘弁!
私が日本人だから日本に肩を持つというわけではなく、あくまでも中立的な立場としても最近の韓国側の論調は常軌を逸しています。日本はまだ紳士的な立場を貫いていますが、彼らはこれでは自滅してしまいます。
文大統領を中心とする政府が自分で問題解決能力を持たず、他人のせいにするという半島の典型的なやり口となっており、民意を煽り、政府は正しいことをしているのだ、という正当性を見せつけようとしています。朴槿恵氏失脚となった「ろうそく運動」に近いことを企てています。
ところが例えばサムスンは違うように見えます。会長の李健煕氏は早稲田大学卒業、副会長で息子の李在鎔氏は慶応大学院卒。李在鎔氏がこの問題の前からしばしば日本に来ているのはビジネスがわかっているからで、はたで見ている限り、韓国政府が主導する時代錯誤の展開に冷ややかのようです。日本に学んだ韓国人は日本の事を悪く言いません。「先生」と言ってくれるはずです。
韓国は過去から現在に至るまで政府があまりにもポピュリズムで事の正当性や長期的視点に立った国づくりができていません。どうせ次の大統領選のち、文氏は厳しい余生を過ごすことになるのでしょう。(大統領経験者は逮捕されるか死に追い込まれる奇怪な国です。この国にヒーローはいるのでしょうか?いますね、安重根!)半島、おそるべし、です。
くら寿司が北米展開?いまさら、回転ずし?
いきなりステーキがNYで苦戦したニュースをご記憶の方も多いでしょう。北米で飲食展開はなかなか難しいものです。斬新さか、マーケティングか、エンタテイメント性か、ヘルシーさか…といった数々のこだわりの中で回転ずしは私にとって70年代の万博的発想であって今更、回転ずしを北米展開する理由が全く分かりません。
私、日本の回転ずしについては一言申し上げたいことがあります。それは価格を安くするためにネタを限りなく薄くしているのです。「まるで透けて見えるようなネタ」はフグ刺しを食べているわけではないので勘弁してほしいというのが本音であります。
仮に同様の事を北米でやった場合どうなるか、といえばそっぽを向かれます。理由はシャリで腹いっぱいになるのは炭水化物の摂りすぎだという悪評が経ちかねず、食事のバランスという点で全く支持が得られないとみているからです。
それとあの回転する機械に向かって食べるなんて冗談じゃないです。北米の飲食店とは店の雰囲気と会話を楽しむところです。昔のように中にいる職人さんに「すみませーん、〇〇と△△をお願いしまーす」という時代から二階建てレーンになり、目の前には迫りくる機械であります。
今、海外で本当の寿司を握ることができる人は極端に少ないです。そこで機械でシャリを握り、メキシコ人など安い労賃の人がネタだけ上にのせて回転レーンに乗せることになるのでしょう。私もシアトルで90年代後半、寿司食べ放題を経営していたのでそうしていました。実に古いスタイルで今更感は半端じゃないです。
後記
日本も夏休み時期に入り、再来週は12日が「山の日」の振り替えで9連休とする人も多いようです。また全員いっぺんに休めない会社はその周辺週にばらけてとるので来週がお休みという方も多いようです。しかし、子供にせがまれてどこに行ってもうだるような暑さの中の行列となればお父さんもお母さんも夏休みは疲れるためにある、早く冷房の効いた事務所に戻りたい、というかもしれません。来年のオリンピックが思いやられます。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年8月3日の記事より転載させていただきました。