なぜ運の悪い人はいつも運が悪いの?結局は自分の問題!?

尾藤 克之

Photos by K.Bito

「努力が成果となって表れていない」「なかなか行動できない」など、私たちの悩みは尽きることがない。

しかし、悩みは自分自身が感じているだけというものが少なくない。人生に降りかかる問題は自分が作り出しているということである。

今回は、『人生が好転するマインドブレイク: コーチングセラピーであなたもきっと幸せになれる』(合同フォレスト)を紹介したい。著者は恩多限/陽(おだぎり/よう)さん。

人は、「今のまま」でいい、現状維持を好む性質がある。変わることへの恐怖心、変わらないことへの安心がベースにはある。現状に大きな不満が無ければ、変わらずに維持しようと思うのは当然である。しかし不幸な場合は少々状況が異なってくる。

(恩多限さん)「こんなことも言えます。変わることへの恐れがあるから、いつまでもその人は『運が悪いイス』に座り続けている 。たとえ運が悪くても、実は、その人にとって一番の望みが、 そのイスには隠れている。だからいつまでもイスから動くことをせず、ずっと座り続けているわけです」

(同)「例えば、勤めている会社に『嫌だ』『転職したい』などと文句や愚痴をこはしながらも、ずっと居続けている人がいます。夫婦関係でも同様に、いつも奥さんやご主人の文句や悪ロばかり言っているものの、離婚はしないという人は多いですね。とにかく不平や愚痴を毎日並べているのに、同じ場所にとどまっていることは多々あるのです」

実は変えなくても済むように、周りに対して虚勢を張り理由をつけて自分を納得させているのである。 気楽な状況を選択し安住したいと思っているのである。

(恩多限さん)「そのイスで満足している自分に対して、 逆にイスを変えようとする人が現れれば、それに対しして怒ることだってあります。『取り上げられた』と文句を言うのです。変えたいと何十年も言い税けながら、結局そのまま何も変わらない。そこに居続けたいという心の要求があり、縛られているから変われないのです」

(同)「ニーズがあるから、『運が悪いイス』に座り続けてしまう。だからその原因である心の壁を壊し、完了させてあげることが、とても重要です」

参考までに、オランダの哲学者、スピノザ※1、は次のような格言を残している。

自分にできないと考えている間は、
本当はそれをやりたくないと心に決めているのだ。
出典:『人生を動かす賢者の名言』(池田書店)

※1【バールーフ・デ・スピノザ(Baruch De Spinoza,1632年11月24日–1677年2月21日)】

[本書の評価]★★★(77点)※8/14投稿分から新評価レベリングを適用。
評価のレべリング】※標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★  「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★   「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★    「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し  「レベル0!読むに値しない本」50点未満

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※14冊目の著書『3行で人を動かす文章術』(WAVE出版)を出版しました。