こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)のおくざわ高広です。
斉藤れいな都議がすでにブログで書いていますが、今日はNPO高卒支援会の代表であり、「不登校・ひきこもりの9割は治せる」の著者でもある杉浦孝宣さんと意見交換をしてきました。昨年の一般質問でもひきこもりについて取り上げましたが、町田市の調査によると、ひきこもりの半数が不登校を経験しています。不登校を放置しておくことは、将来的にひきこもりへと繋がる可能性を高めると考えられます。
今年3月に公表された内閣府の調査によると、40~64歳のひきこもりの方は61.3万人いると推計されました。2015年の調査では、15~39歳のひきこもりの方が54.1万人との推計があり、重複もあるとはいえ、少なくとも100万人以上の方がひきこもり状態にあるといえます。さらに、このうち半数以上が5年以上、2割弱は20年以上の長期間ひきこもり状態にあるとのことです。
これらを勘案すると、不登校はひきこもりの入り口になる可能性が高く、不登校となった場合になるべく早い段階で介入することで、長期的には8050問題を引き起こすことを防ぐことに繋がると言えそうです。
平成29年の調査によると東京都の公立中学校における不登校出現率は3.78%とのことであり、クラスに一人は不登校です。また、平成30年度公立中学校等卒業者の進路状況調査によると、通信制高校への進学を選択する生徒は3.73%であり、年々増加しています。(全日制高校や定時制高校へ進学する生徒は減少傾向)。
中学校で不登校を経験し、もう一度自分のペースでやり直したいという気持ちをもって通信制高校を選択する生徒は増えており、高卒支援会のようにその支援を行うサポート校の存在は重要です。杉浦さんは、昨年サポート校への補助を創設する旨の陳情を出していますが、残念ながら不採択となっています。当時、私も不採択の結論を出しましたが、私自身サポート校を運営していたこともあり、改めて、杉浦さんの真意や目指す先をお伺いし、意見交換には大変熱が入りました。
その内容の一部を抜粋しますと、
✔不登校は誰にでも起こり得る
✔不登校になる子どもは、感受性が高い場合が多い
☞決して悪い子やおちこぼれではなく、可能性に満ちた存在である
✔100人いれば100通りの不登校になった理由があり、万能薬は存在しない
☞様々な選択肢が必要であり、杉浦さんの示すことが絶対的な方法でもない
✔不登校に関わるということは、その子の人生に関わり続ける覚悟が必要
✔不登校状態を固定化させてはいけない
✔社会の中で自分らしくイキイキと生きていけるように支えていくべき
☞杉浦さんの言い方では、社会に貢献できる人材に成長させるべき
✔不登校から立ち直ろうという一歩を、家庭の経済格差が阻んではならない
といった内容で激論を交わしました。
ワンピースでいうところの覇気と覇気でドーンみたいな状況!?
現実社会にある困りごとと制度がかみ合っていないときに、その潤滑油になるのが政治家の役目です。
私が通信制サポート校を運営していた時に感じていたこと、
現場で命かけて子どもと向き合っている方がたくさんいるのに、なぜ政治も行政も見て見ぬふりをしているんだろうか
私の原点を思い出させてくれた杉浦さんに感謝です。
9月10日の一般質問、現場に限りなく近い情熱をもって、誰もが納得するロジックを冷静に組み立てていきます。
7年前、政治へ進むと決めた時に言われた言葉をもう一度噛みしめて、頑張ります。
KSへ、
あの時の約束忘れてないからな!
しっかり見ててな!
編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2019年8月23日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログ『「聴く」から始まる「東京大改革」』をご覧ください。