自民党執行部は多少は肝を冷やしただろうが、まあ、そう騒ぐほどではない
勝つに決まっていると思っておられた方々は、意想外の結果に肝を潰されたかも知れないが、埼玉県知事選挙をよくよく振り返って見られたら、そんなに驚くほどのことはない。
立憲民主党に風が吹き始めた、という兆候はまったくない。
公明党・創価学会の動きが低調だった、自民党が実質的に分裂選挙をやってしまった、候補者の選定に問題があった、というだけのことで、いわばオウンゴールのようなものだったと思っておけばいい。
今回の埼玉県知事選挙の結果は、来年の衆議院解散・総選挙に大きな影響を与えるようなものではなかった、ということである。
勿論、立憲民主党や国民民主党等の統一会派構想は進展するだろうが、統一会派の結成が出来てもただそれだけのこと。そこで新たな力が生まれるわけではない。
直ちには危険はありません、というところだろう。
9月に相当の規模の内閣改造が行われ、清新なメンバーで新しい体制が組まれるだろうから、そこで人心が一新されるはずである。
若々しい自民党、活力のある自民党のイメージを作ることが出来れば、まず次の衆議院選挙で自民党が大きく取りこぼすことはない。
注目すべきは、やはりれいわの山本太郎氏だろう。
N国党は事実上バンザイしてしまったようだから無視していいと思うが、れいわは今後の動き次第ではどこまで大きくなるかも知れない。
ちなみに、維新の大化けはなさそうである。
ご参考までに。
青島さんが出てくれれば、上田さんは引っ込んでくれるかしら?
10月の参議院補選に自民党執行部は候補者を擁立することを決めたようである。
二階幹事長の続投があるのかないのか分からないが、二階さんは小沢さんと同じように他党の国会議員に声を掛けるのが上手である。
いわゆる人たらしの術に長けている。
自民党の党勢拡大のためには何でもやってのける。
最近は、細野氏を二階派に迎え入れている。
かつての民主党の中で、日本の将来を担うリーダーの一人になると目されていた人物を自民党の陣営に引き入れてしまうのだから、自民党に対峙できる新しい保守政党を作ろとしていた方々にとっては大変なダメージになってしまうはずだ。
二階さんは、そういうポイントを突くのが実に上手い。
自分の進路に不安を感じていたり、どこかしら迷いを感じさせる人にボソッと声を掛ける。
どうしました?こっちに来ませんか?
迷っている相手にこの言葉は実によく利く。
実際に声を掛けておられるのかどうかはまったく知らないが、如何にもどこかで声を掛けているような印象があるから不思議なものだ。
うーん、上田知事に声を掛けておられないでしょうね。
二階さんが10月の参議院補選に自民党から上田さんを担ぎ出そうとしているのではないか、という記事をどこかで読んだ。憲法改正推進派の参議院議員を増やすための方策の一つだそうだ。
あり得ない話ではない。
しかし、こういう話は早めに潰しておくに限る。
私は、れいわの山本太郎氏が名乗りを上げるのがいいと思っているが、自民党から立てるとしたら、ご本人にその気があれば青島さんだろうと思っている。こういうことは、選挙の余韻が残っているうちに決めた方がいい。
お節介ながら。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年8月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。