NO! パチ NO! スロ NO! ギャンブル依存。YES! ○○○

横浜市は先週22日、カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致を正式に表明しました。その発表後の週末、土曜日は福岡、日曜日は鹿児島で私は講演をしてました。横浜市のことですから、当然のことながら私にその見解を聞く人、要は私に賛成か反対か聞きたい人が何人かいました。はっきり申し上げると、私はIRに賛成です。

ちなみに「賛成」の「反対」どちらの意見もあると思います、それは「正しい」「正しくない」ということでもありません。横浜市を報じるニュースでは、私も見慣れた市長室に反対派の市民が「市長に会わせろ!」と言って押し寄せている映像が流れていました。そのことで賛成派、反対派の対立を報じているわけですが、賛成派で押し寄せている人は居なかったと思います。さっきも言ったように、「賛成」「反対」「正しい」「正しくない」ということではありませんが、、これまで横浜市は「白紙」と言っていました。ゆえに誘致と言われ、それぞれの運動、主張が過熱しています。

すでにこの議論が出ていた2年前の横浜市長選挙で、現職の林市長は白紙としていました。私だったら市長選挙のタイミングで立場を明らかにしてたでしょう。私の二期目の市長選挙で、すでに反対の声が大きくなりつつあったバス路線の見直しについて態度を明らかにして出馬しました。やっぱり後になってから、態度を明らかにすると「裏切り」と言われちゃいますよね。その後、バス路線の見直し、路線の統廃合などを経て、2007年度(平成19年度)に22年ぶりに黒字化しました。

市長選挙後も白紙としつつ、IRに参入をしようとする事業者から構想案を公募したことも、わかりにくかった事だと思います。すでに12もの事業社グループが横浜市に対してIRの構想案を出しているそうです。

さて、全国でIR誘致に正式表明済みと言えるのは、長崎、大阪、和歌山の3府県です。平成26年に長崎県は県議会にてIR誘致を表明、平成29年2月には大阪府・市がIR誘致の指針を取りまとめ、平成30年には和歌山県がIR基本構想を公表しました。これからのタイムスケジュールは、国が今年秋(以降)にIR設置にあたっての基本方針を策定し、審査基準などを明らかにする予定です。今年の秋ということはもうすぐですが、もしかしたら来年にずれ込むかもと言われています。

これに対し、IRを誘致する自治体、先ほどの横浜市を含む4府県と、さらにはこれから名乗りを上げる都道府県もあるかもしれませんが、事業者を選定して整備計画を国に対して提出し、選定を待つことになります。こうした日程が迫ってきたから、今まで白紙と言っていた横浜市も名乗りを上げるなら今しかないと表明したようにも見受けられます。

ところで、IRに反対をする人たちは「カジノができることによって風紀が乱れる」ことや「ギャンブル依存症」を嫌います。

平成29年の厚生労働省の調査によると、日本のギャンブル依存症は明らかに各国に比べて多いですね。

ギャンブル依存症が疑われる人の割合

日本 3.6%
オランダ 1.9%
フランス 1.2%
スイス 1.1%
カナダ 0.9%
イタリア 0.4%
ドイツ 0.2%

国立病院機構久里浜医療センター 樋口進院長調べ

(調査時期、調査対象人数は国ごとに異なる)

 

その原因ははっきり言って、日本全国どこにでもあって入場無料のパチンコとスロットでしょう。今回のカジノに関する法律では、カジノへの入場料は1回6000円、週3回までの入場で、さらに月10回までと上限があります。

カジノに反対するより、「パチンコ無くせ!」っていうべきじゃないの?


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年8月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。