お金持ちほど人を信用し、貧乏人ほど相手を信じない理由

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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誰しも「だまされたくない、損をしたくない」と思って生きています。多くの人が手軽にスマホでネットにつながるようになり、「詐欺」に遭遇する機会はとても高まったと感じます。私のスマホやPCにも不誠実な商品・サービスの提案がメールで送られてきますし、来社・電話・FAXでも明らかに価値に見合わない価格をつけた提案がなされる事が多いです。

スマホがなかった時代に比べて、詐欺の出口も巧妙化し、遭遇する可能性が飛躍的に高まりました。しかし、あまりにも「だまされたくない、損をしたくない」という想いが強すぎると、かえって損をしてしまうと思います。

tomon/写真AC(編集部)

Twitterにもつぶやきを投稿しました。

「疑心暗鬼」は思考できない人の唯一の防衛策

世の中、あまりにも詐欺や不誠実なセールスで溢れているために、「絶対にだまされないぞ!」とガチガチに防御している人がいます。疑いたくなる気持ちはよくわかりますし、確かにその姿勢を取ることで詐欺の被害に遭うことは防げているかもしれません。しかし、本来信用しても良いと思えるような場面においても、疑いの気持ちを持ってしまうとチャンスも失っているのです。

この世はリスクとリターンはセットになっていて、一つの例外もありません。大きなチャンスは、不確実で知名度がないものにこそ潜んでいるものです。つまり、リスクを取らなければ、リターンを得ることは絶対にできないのです。

何でもかんでも疑いの目を向ける人は、「話だけでも聞いて、いざとなったらお断りすればいい」という選択肢がありません。自己肯定感が低く、相手の話を聞いてしまうと後戻りできる自信がないために疑いの目を向けて、入り口で可能性を遮断してしまいます。

疑心暗鬼とは、思考できず、自己肯定感が低い人が取れる唯一の防衛策なのです。

信用する事には経済的合理性がある

数々の年収1億円超のお金持ちに触れ、そこから得た感覚値からいえば、「うまくいく人は人を信じて、うまくいかない人はその逆」と考えます。なぜなら、人を信じる事はビジネス上の合理性があるからです。

上述した通り、人を拒絶するとあらゆる可能性はゼロになります。相手の言うことを聞いて、損をする可能性もなくなりますが、その逆に相手の話を聞いて得をする可能性もゼロです。相手を疑うより信用する方が、ビジネスをすると効率的で楽ができます。自分に自信があれば「話を聞いて、途中でおかしいと思えばそこできっぱりお断りすればいい」という判断ができます。

つまりこれは、貪欲にチャンスの可能性を探りながら、いざリスクが大きいとわかった時点で損切りする、という合理的判断になるわけです。

私はお金持ちの方からお仕事をもらったり、一緒にさせてもらってきました。彼らは概して意思決定が極めて速く、非常に金払いもいいので

(本当にこの人はお金を払ってくれるんだろうか?先に半分だけ入金してもらった方が良いのでは?)

といった不安や、信用状況を調査する手間もやり取りもありません。疑いの気持ちを持つことで、一挙手一投足でイチイチ

(本当に大丈夫かな?)

とマインドシェアを取られてしまい、本来コミットするべきビジネスの内容に思考が及ばないのです。疑うより、信用する方が経済的合理性があるといえるのです。

相手を信用することがスピーディーなビジネスになる

取り扱うビジネスの内容や、金額規模にもよりますが、スピーディーにバシバシ前進するビジネスを実現するためには、記録に残る口頭(ビジネスチャットやメールなど)でのやり取りがもっとも合理的です。

私はある分野で一緒にビジネスをしている人がいるのですが、サポートをしてもらう都度お金を支払っています。これを毎回きっちり見積もりを取り、契約書を作成し…というのでは亀の歩み、得られる高揚より手間と面倒さが勝ってしまうとビジネスの規模がある程度大きくなければ頼もうと思えません。しかし、その方とは堅牢な信頼関係が構築できていますから、面倒な書面を交わさず、ビジネスチャットやメールのやり取りだけでビジネスが進んでいます。

ふと頼りたい時に気軽に頼み、手厚いサポートを受け、気持ちよく「ありがとう」と感謝の気持ちでお支払いをする、この関係はお互い非常に気持ちが楽ですし、いちいち立ち止まることもないので、スピーディーにビジネスを進めることができます。

何でも嘘だと疑いたくなる気持ちは分からなくもないですが、その姿勢ではチャンスも含めたあらゆる可能性を潰してしまうのです。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。