新興国で感じる「日本が抜かれていく感」

内藤 忍

インナーサークル資産設計実践会のスタディツアーの前に、タイのシラチャに行ってきました。ステイジアキャピタルが手掛けたサービスアパートメント「ドーミーレジデンスシラチャ」(写真)の運営状況の確認のためです。

渋滞の中、バンコクから車で3時間以上かけて到着した物件は、日本人駐在員をターゲットに既に賃貸を開始していました。日本人が重要視する、居住性と食事に力を入れ、運営は国内大手の社員寮管理会社が行っています。炊き立てのご飯にお味噌汁といった和食メニュが日替わりで提供され、試食しましたが日本と変わらない味でした。

タイは新興国の中では、既に安定成長に入り、比較的安定した国と言えます。それでも、1年前に行った時に比べると、街の清潔感が高まり、洗練されていました。

タイに限らず、東南アジアの新興国に行くと強く感じるのは、成長による急速な変化です。カンボジアやバングラデシュのような、更に高成長の新興国に行くと、わずか数か月でも、街が大きく変化している姿に驚くことがあります。

毎回、このような海外視察の後、帰国すると気になるのは、日本の超安定感というか変化の無さです。

急速な成長と変化で豊かになっていく新興国と、低成長で変わらない「先進国」の日本。2つを比較すると「日本が抜かれていく感」を意識せざるを得ません。

時速20キロの軽自動車で、国内で仲良く一緒に走っていたら、後ろから時速100キロのフェラーリが追いかけてくる。そんなイメージです。

新興国にそのうち抜かれるのではなく、もしかしたら、もう既に抜かれていることに気が付いていないのかもしれません。

海外から日本を見つめることで、日本の当たり前が、異常な状況に見えてくる。海外を視察することは、日本を客観視する良い機会です。

数年後の世界における日本がどうなるか?「座して死を待つ」のではなく、自分の未来をデザインし、理想のライフスタイルの実現に必要な先手をしっかり打っておくことが益々重要になることを再確認しました。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年8月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。