昨日9月1日からアメリカが中国から輸入しているものに対する制裁関税の第4弾がスタートしました。
すでに皆さんにはお伝えしましたけれども、アメリカ国民、アメリカに住んでる人たちが日用品で、中国から輸入してる様々なもの、例えば衣類だとか靴だとか小物がありますが、これらに10%の関税をかける。これが当初の第4弾でした。ところが、実施する前の8月23日に、アメリカのトランプ大統領は、「10%じゃなく、15%の課税をする」とつぶやきました。
関税比率を10%から15%に変更し、一部製品(ノートパソコン・玩具・衣類など)はクリスマス商戦を懸念して12月15日まで延期した、アメリカの制裁関税第4弾に対して、中国はアメリカから輸入している原油や農産物など(約750億ドル相当)に対して5%から10%の関税をかけると報復をしたことを受けてです。
要するに報復合戦になっています。アメリカが中国に制裁関税を掛け、中国がアメリカに報復関税を掛ければ、またアメリカが報復関税を描ける。そして中国が報復する。こういう報復の応酬になっています。
もう第1弾、第2弾、第3弾とか言ってても訳が分からなくなっていますが、要するに現在のところ、アメリカが中国から輸入している全てのものに15%か30%、いずれかの関税がかかっています。
※健康や安全、安全保障に関わる製品は除外
関税が30%掛かる、ということはすなわち物の値段が3割上がることにつながります。そうすると我々消費者は買い控えをするでしょう。そうなれば、使えるお金減る、そうなったら、輸出も輸入も滞ります。最終的には販売額も減り、経済がどんどんどんどん悪くなるということです。
だから先週の日経平均株価推移はこんな感じ。
株価は大荒れ状態です。
僭越ですけど、私はこれまで「世界が激動期に入っているからこうなるよ」って言ってきたことが当たっています。
ということで、これから先を少し考えていきたと思いますが、まず先週は円高がこんな感じで進んできました。
※15時頃の為替相場の推移
最近は経済のリスクが高まると、円が高くなるということで、その移行の状態で今度は株価が下がってくるという状態になります。
もちろん何か良いニュースがあれば株価がポンと上がることはありますが、しかし、全体としてはどんどん下がりかねない状況に世界はあるわけで、日経平均は2万円をいつ切るかというラインに入っています。
円高が進むと我々の生活にはどんな影響があるのかと言えば、例えば牛肉などの食料品の値段が下がるケースが多いし、ガソリンなども下がってくる嬉しいという一面も個人的にはあります。ただ、輸出にとってはマイナスですから、日本の産業全体にとって、そして貿易には明らかにマイナスになってくるということです。そしてこれが長期化すれば、これまで好調だった雇用が減る、そして賃金の上昇が止まるということになるでしょう。
そうならないに越したことはないんですが。
はっきり言いましょう。
私ね、「長期化する」と思いますね。
1年や2年とかいう話じゃなくて、5年や10年。
いや、いや、いや、いや、、、、、、、、、、、もっと。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年9月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。