「自分は捨て石に」原田前環境相が心境をFBに投稿

アゴラ編集部

前環境相の原田義昭氏の「海洋放出」発言を巡り、小泉環境相が福島県側に“謝罪”したことについて、原田氏は13日午前、『「原発処理水放出」のその後』と題してFacebookに投稿。「誰かが言わなければならない、自分はその捨て石になってもい」と発言の真意を述べた。

原田氏、小泉氏(共に政府サイトより)

原田氏は「私の「原発処理水 放出」発言が、大きな議論の輪となって、マスコミ、報道でも大きく扱われているようです。小泉環境大臣に引き継がれたことで余計に注目度が大きくなった」と切り出した上で、

正直言って、私はこのことを長いこと真剣に考えていました。昨年秋に現場を視察して、これでいいのかと疑問を持ったのが最初でした。政府の担当者、多くの専門家と意見交換しました。新聞記事など多くの周辺情報も集めました。とりわけ「原子力規制委員会」委員長 更田(ふけた)豊志氏が一貫して信念を持って「放出しても良い」、「安全基準は心配ない」の発言にはいつも心が震えました。

などと、問題意識を持ち始めた経緯を明かした。さらに

2022年夏には137万トンとなり、既設の貯留スペースは満杯となり、どこか広大な場所を探さなければならない。いつ終わるのか、予測は立たない・・・。その費用は一体誰が持つのか、も大事な論点である。

とあらためて論点を振り返った上で、

記者会見では、淡々と1年の行事を振り返りながら、福島原発に触れていた時、日頃考えたままに「海洋への放出、稀釈しか残された選択はない」と発言しました。記者団は少し騒ぎになりました。しかし私は、これでいずれは世の中が変わる、という不思議な自信も付いてきました。誰かが言わなければならない、自分はその捨て石になってもいい、と素直に自認しました。

と結んだ。原田氏は、誰の「捨て石」なのかは明言しておらず、自らの後任である小泉氏にこの問題を託す思いがあったとまでは言及していないが、行間から読み取れる苦渋の思いから、処理水の現場の実情を踏まえ、覚悟を決めたことだったことが十分うかがえる。

原田氏のFacebook投稿

コメント欄には、地元の支援者とみられる人たちから

真の政治家 原田先生です!

本当の事を言う勇気感服です!

先送りするより、問題提起をされた先生の勇気に感服です。

といった応援コメントが書き込まれていた。その中には

進次郎ちゃんは、どう解決するのかな?

と問いかけるものもあり、小泉氏が今後どう対応するのか注目される。