今定例会会期中の8日深夜から9日早朝にかけて相模湾から東京湾を北進した台風15号は、千葉県を中心に関東上陸時の勢力では過去最強クラスとなる歴史的な被害をもたらしました。
都内では、世田谷区で50代の女性が強風にあおられて壁に頭を強打し亡くなり、大島町で約9000軒、新島村で約1900軒が停電、都立大島海洋国際高校の校舎が損壊し休校しました。また、本会議開会日の9日は交通網が麻痺する中、無事本会議を開催するも対応する都職員の安全確保につき、知事の英断が遅れたのではないかという是非も問われました。
こういう時こそ、東京都職員にはお得意の「テレワーク」の実施、各学校の休校・登校免除、企業の出勤の自粛を国際都市の「ガバナー」として宣言すべきではなかったでしょうか。かような過酷な状況の中、前日からの宿泊を含む体制で備えていただいた、議会局・議会対応職員に、感謝をいたし、無事閉会を迎えましたことをご報告申し上げます。
あわせて、この度、被害を受けられた被災者の皆様にお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方にはご冥福をお祈り申し上げます。都議会議員として、首都災害への対策に向け、さらなる防災・減災・被災者対策への対応を求めてまいります。
お姐的見解による各議案の賛否
さて、今定例会では、私は、宮坂学氏の副知事選任同意の人事案1件を除き、知事提出の全議案に賛成いたしました。
新設の「東京都公文書館条例」等、公文書管理にかかる関連条例は、東京都公文書館の移転に伴い、施設利用に関する基本的な事項等を定め、歴史公文書制度を導入し、知事の附属機関の東京都公文書管理委員会を設置、情報公開とその基礎となる公文書管理を徹底する等、都民の「知る権利」に資する都政の推進、ブラックボックスの排除を重ねて求め、賛成したものです。
「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の一部を改正する条例」については、安全対策の他、法的には電動車いすと扱われるシニアカー・身障者用自転車などへの対応を求め賛成。
「東京都営住宅条例の一部を改正する条例」は、入居にかかる「円滑化」を図るもので現行運用上、若年層対象者が拡大する点から賛成しましたが、引き続き縮減と民間不動産活用を求める所存です。
「東京都給水条例の一部を改正する条例」は、指定給水装置工事事業者の指定の更新・承継の適正な運用と新規参入の促進を求め、賛成いたしました。
税を監視する監査委員は議選※をやめるべき
※議選とは…議員しか委員になれない枠
昨日採決されました監査委員の選任にでは、“一応”賛成いたしました。
“一応”と申しますのは…
一昨年施行の地方自治法第196条第1項の改正により、議員のうちから監査委員を選任しないことができるとされまして、これにより、大阪府においては早速監査委員5名全員が識見委員、つまり議員以外になっております。
私はかねててより、監査委員の専門性向上と議会との分離のため、議選委員の撤廃を求めております。ただ、そのためには大会派が「既得権」としている監査委員を手放し、議会で条例改正をする必要があります。大阪府議会においては、最大会派である大阪維新の会が監査委員を手放すことで、議選委員が撤廃されたのです。
ちなみに東京都議が監査委員委員になった場合の「既得権」は…
月額議員報酬80万円 + 監査委員報酬23.7万円 =103.7万円!
監査委員報酬23.7万円 × 12カ月 =284.4万円!!
これじゃあ、議選議員一度やったらやめられない、手放したくないワケですね。
東京都では、小池知事就任以来、国に先んじようとするあまり拙速感が否めなかった受動喫煙防止条例、ベースとなる総合的な人権条例も制定していないのに進め対象を限定したオリンピック人権条例、私からすれば骨抜き&的外れ感が否めない虐待防止条例等、耳目を集める“パフォーマンス”条例制定を“乱発”“乱造”されているやに見受けます。
「東京大改革」を掲げ、都議会最大会派「都民ファースト」の代表も一時担われた知事にあらさせられては、本来はこうした、上位法を受けた地道な「改革」を「知事与党」と条例改正のアクションを起こしていくべきではないでしょうか?
副知事の民間登用よりも先に、長年議論され国会・政府も議選に関して問題意識を持ち、改革を進めたわけですから、監査委員の民間識見委員を拡大し、議員を率先して引き上げることこそ、行財政改革に即効性を発揮するものとお姐は信じるものです。
監査委員だけではなく、教育委員、選挙管理委員、その他各種委員が議員及び元議員から選べている大問題については、自由を守る会は都議会と各区市町村議会においても、議選議員の撤廃の実現にむけて行動を起こしてまいります。
ちなみに、先に採決された識見監査委員の岩田喜美枝氏の再任については、都民目線で独立した立場で監査し、都政の質の向上、引いては都民の利益の増大に貢献された実績と今後を期待し、“一応”ではなく、前向きに賛成いたしております。。
ヤフー元会長だけではなかった注目の人事@都議会
前半の本会議の10日には、ヤフー元会長の宮阪学氏の副知事選任同意案が緊急上程され、私のみ、反対いたしました。その理由は、宮坂学氏個人の資質の是非によるものではく、知事の人事手法と手順が唐突であり都民の知事への不信感は一層深まったと断じたのは既報の通りです。(詳細はお姐過去記事「元ヤフー社長IT特任副知事(?!)に私だけ反対したワケ」ご参照)
今定例会の注目の人事はもうひとつありました!
本来4年間担っていいのになぜか任期2年を残し、「ふるい議会を新しく」と大量当選した都民ファーストが「知事与党」となっても恒例として実施される(これも月額約20万円の議長加算「既得権」の譲り合い?!)議長・副議長選挙であります。
粛々と、都民からお預かりした貴重な一票を行使いたしました。
議長選の結果は…
全票:124票
うち
有効投票:103票
無効票:21票
うち
石川良一君:102票 当
上田令子君:1票(ザワつく議場)
副議長選の結果は…
全票:124票
うち
有効投票:124票
無効票:0票
うち
橘正剛君:123票 当
東村くにひろ君:1票(なぜか「議会を冒涜するな!」的野次と怒号が飛ぶ)
副議長選挙においては、お姐が望む結果になりました。新正副議長におかれましては、未だ「ふるい議会」と批判のある運営を改めるべく議会改革を強固に進め、日本一開かれた国際都市東京都議会を実現すべく議員個々の発言の自由を保証する公正かつ民主的な議会運営による活性化を強く望むものです。
お姐総括!
本会議が終わりますと、必ず知事が局長らを引き連れてさながら現代の大名行列のように各会派に挨拶に来ます。昨日もその麗しい慣行は滞りなく行われましたものの、自由を守る会会派控え室前に訪れた際、小池知事が同会派幹事長(さて、だれでしょう?(笑))にむけて「議長選残念でした」とおっしゃいました。
…なんのことやら、さっぱり意味が理解できませぬ。
ひきつづき!!自由を守る会は、自由・自主・自律の理念のもと、都民の自由と血税を守るべく、たゆまず活動を進めてまいります。
東京都議会議員(江戸川区選出) 白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選(44名中6位)。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。公式サイト。