元ヤフー社長IT特任副知事に私だけ反対したワケ

一昨日は、交渉会派(ある一定の人数を満たす議員集団)による代表質問でした。私は、代表質問ができる国政政党多数会派に所属したことがありませんので一度も機会を得たことはなく、江戸川区議会議員時代から東京都議会議員の今日にいたるまで、ひたすら傾聴するのみです。

毎回思うのは、区民・都民生活に全く関係なさそう、かつ、ほっといても政府や行政が粛々と執行する既定路線事業・計画をあたかも「我が党が!」とお手柄にする大上段テーマか、はたまたニッチでマイナーな支援者・支持母体・地元へのお土産ネタに終始し、不特定多数のマジョリティには全く関係ない質疑が多く毎度首を傾げております。

そして昨日は、一般質問でありましたが、個々に煌めく質疑をされている議員もおいででしたが、概ね代表質問と変わらない大上段&ニッチワールドでありました…。

ただし、いつもと違ったのは、急な人事案件があがってきたのでございます。

忖度せず反対を決断

9月3日の本会議初日所信表明で都民や議会へ説明する説明と同意への理解を求める機会があったにも関わらず、またしてもマスコミ報道先行で既成事実をつくる都民スルー&議会軽視“小池流”「思いつき」理由不明副知事人事の同意を求められたのであります!

「大抜擢」されたのは、その経営手腕では、IT業界では定評のある宮坂学氏。

宮坂学氏ツイッターより:編集部

宮坂学さんといえば、私と同世代であり、小さいながらもIT会社を起業した者としてもそのご活躍をリアルタイムで見て参りました。ソフトバンクとも業務提携をされIT大企業からの「転身」にミソをつけるようなことは、通常の都議会議員であればしないでしょう。私も本来であれば「民間登用」は大賛成でありますが、昨日の本会議において、私は小池百合子知事から提案された宮坂学氏の副知事選任議案について、反対の表決をいたしました。

これにつきまして、理由を都民のみなさまに明らかにするため説明させて頂きます。

まずもって申し上げておきたいのは、宮坂学氏個人の資質の是非によるものではないということです。この人事案に反対する主たる理由は、知事の人事手法と手順によるものであり、この唐突な「思いつき」人事によって、都民の知事への不信感は一層深まったと断じざるを得ません。

私は都議当選以来、副知事選任議案については、舛添要一知事の辞職同意の本会議に提案された、次期知事の人事権を実質的に縛り兼ねない、いわゆる“駆け込み人事”を除き、知事の人事権を尊重し賛成してまいりました。

また、私は、多角的視点からの能率的な経営感覚を持った都政運営を進める立場から、副知事には都庁出身者だけでなく、行政経験はなくとも各界で活躍する女性を含む民間からの登用を求めてきました。

ところが、今回の選任議案は、あまりにも唐突で合理性が見えないことから、賛成しかねると判断いたし、賛成起立採決の中124名の都議会議員の中でただ一人、座り態度表明をいたしました。

お姐的反対理由

賢明なる都民の皆様も、なぜか知りたいと存じます。
具体的には、以下の理由となっております。

  1. 提案が唐突で、起用の意図が明らかでなく、責任をもって人物評価ができない。少なくとも、起用にあたり事後に成果の評価ができるよう、職務の具体的な目標設定をし、人事政策の説明責任を果たすこと。
  2. 参与への起用後、2か月後の提案であり、その実績・成果の評価が不明であること。
  3. 同氏の起用が報じられた直後の今月6日の知事定例記者会見では、冒頭で副知事人事についての説明はなく、同氏の所管・権限・位置付けについての質問に回答すらしていないこと。
  4. 単なる知事のアドヴァイザーに過ぎないのなら、参与職で十分であること。
  5. 前職等の出身業界との利益相反・癒着への危惧が払拭されないこと。
  6. 人選理由が明らかにされず、手順が拙速で、都民・議会への説明が尽くされていないこと。
  7. これらのことにより、東京水道サービス株式会社社長への野田数・前特別秘書の起用に見られるような情実を疑われるような人事を避けること。
  8. 現在の都政運営は、残念ながら、3年前の知事選で公約した「東京大改革」から著しく変質しており、知事の政治姿勢に賛同し得ないこと。

以上

1人2.4千万!〆て1億円の驚愕副知事人件費

また、もう一つの反対理由として、その人件費にあります。

東京都知事等の給料等に関する条例で定められました副知事の年収は…

一人、約2,405万円!!

ただ今、その報酬を半額としている小池知事の年収約1,400万円より一千万円も多い!!!
(詳細:リストラするなら特別顧問より年収1.4千万円特別秘書が先?!ご参照)

約2,405万円 × 4名 = 約9,600万円!!!!

条例上、東京都において副知事は4名まで設置できますし、必要であれば私も納得し、ナンデモ反対するものではありせん。宮坂学氏は確かに日本の将来において、、余人をもって代えがたい逸材です。しかし、上記1.~8.の問題点を鑑み、さらに副知事人件費だけで約1億円となり、都民勘定と都民の懐勘定を思えば到底賛成できなかったことはご理解いただけたと思います。

お姐総括!

現副知事(3名)らと小池知事の庁議の様子。いすれここに宮坂氏が加わることでしょう

これまでもお姐は、小池知事の「鶴の一声」人事に厳しく警鐘を鳴らしてきました。

都民ファースト会派職員最高月給は65.4万円!

謎の都ファ人件費の支出先は…

今度は都外郭団体へ天下り⁉︎ 止まらぬ小池知事の野田数氏重用

これまで知事は、現都民ファースト会派事務総長小島敏郎氏を行政サイドにいた都顧問から「大抜擢」したり、小池百合子個人事務所職員の都議会会派都民ファーストスタッフを「採用」したり、特別秘書の野田数氏を東京都水道局外郭団体東京水道サービス株式会社社長へ「推薦」してきました。

「小池百合子」という政治家の人事の要は…

側近人事?
お友達登用??
お金でつなぎとめる???

いずれにせよ、交通が大混乱大行列の台風の中でも出勤し、節約しながらスーパーで買い物し、日々慎ましく暮らす都民が「是非、彼ら彼女らを雇って欲しい!」と頼んだわけでもなく、都民の血税でこれらの人件費が全て贖われているわけであります。

自分のブレーンは、税金を使わず自分で人件費を支払って雇って頂きたい。それが真の政治家ではないでしょうか?

上田 令子   東京都議会議員(江戸川区選出)、地域政党「自由を守る会」代表
東京都議会議員(江戸川区選出) 白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選(44名中6位)。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。公式サイト