消費者→実業家になれば、「女性割引」を理解できる

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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私は複数のビジネスを手掛けています。フルーツギフトショップの経営、広告事業、出版やビジネスニュース執筆、英語のeラーニングサービスなどです。これらのビジネスはBtoCであり、一部法人のお客様もいますが、多くは個人のお客様を対象としています。

自分で起業して、ビジネスをするようになって気づいたことがあります。それは「女性割引」への理解です。恥ずかしながら、起業するまでは「女性割引」について、少々納得の行かない気持ちを持っていた時期がありました。「なぜ、女性だけ優遇するのか?差別ではないか?」と。しかし自分でビジネスをするようになり、「女性割引」を打ち出したくなる心理を多少は理解できるようになったつもりです。

みこcamera/写真AC(編集部)

今回はその話をしたいと思います。Twitterでも女性割引について、思うことを発信します。

購買を決めるのは8割が女性

マーケティングの世界では、「買うか?買わないか?その購買の意思決定の8割を女性が持っている」という考えがあります。これを女性の購買決定権といいます。理論としては起業前から理解していました。しかし、肌感覚で理解できたのは、実際にビジネスを提供してみてからです。日々、現在進行系でこれを痛感しています。

私は「肥後庵」というフルーツギフトショップの経営しています。法人のお客様からの注文で、送り状伝票や、熨斗に印字する名前は「代表取締役社長・○○(男性の名前)」が入っている場合でも、実際にネットショップの注文処理や、電話をかけてくるのは「総務部」や「秘書室」の女性が多いです。

また、法人ではなく個人のお客様でも、送り状伝票や熨斗の名前が夫になっていても、注文するのはやはり、奥さんなど女性なのです。ネットに数多あるショップの中から「何を買うか?」というのは、女性が決めています。

この話はネットショップに限った話ではありません。自分でセミナーを企画し、登壇する際にも感じています。先日、「独学法のノウハウや技術」「先端の人工知能を学び、どう活用するのか?」ということをテーマに開催した際も、参加者の8割以上が女性です。「独学法」「人工知能」というお固いテーマですから、てっきり男性ばかりが申し込みをされると思ったのですが、ふたを開けてみると多くは女性です。

英語学習のeラーニングのサービスもビジネスとして提供していますが、申し込みをしてくれるのはほぼ女性で男性は少数派です。もちろん、ビジネスの内容によっては男性がほとんど、という場合もあるのは重々承知しているのですが、少なくとも自分が手掛けているビジネスの範疇だけで言えば、お客様の多くは女性です。

それを考慮すると、ビジネスとして、売上と利益を最大化することを考えると、「女性に受けるようなビジネスを展開したい」というのは、マーケティング戦略として無視できない要素に思えるのです。場合によっては、「女性割引」を導入することが戦略の一環になりえると思うのです。

良くも悪くも、クチコミは女性がする

女性はサービスに満足すると、積極的に新しい人を連れてきてくれます。

ビジネスをやってると、女性のお客様から「○○さんから“良い”と聞いたので」と言われることがあります。「いいものは口コミで広がっていく」という言葉がありますが、誠意をもっていいものを提供すれば、こちらが無理にお願いしなくても、女性は積極的に口コミで新しいお客さんを連れてきてくれます。

これが男性の場合だと、少々状況が異なります。もちろん男性の中にも熱心に口コミをしてくれる「ありがたいお客様」もいます。しかし、女性と比較するとどちらかといえば満足する場合でも、一人で完結してしまいます。もちろん、いい評判を広げてくれるのも女性ですし、逆に不満に思わせてフォローしないと悪い口コミも広がってしまうでしょう(今の所、ありがたいことに悪評を広げられた経験はありませんが…)。

良くも悪くも、女性は口コミで広げてくれます。それを考えると、女性割引で優遇することで「このサービスお得だよ」と口コミしてもらう戦略は、ビジネスとしてアリだと思うのです。

最後に誤解のないようにお伝えするならば、男性のお客様ももちろん大事にしていきたいと思っています。私個人は「女性割引」を実施するつもりは今の所ありません(笑)。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。