小泉進次郎氏と前沢友作氏からわかる「有名になることによるリスク」

小泉進次郎環境大臣の発言が批判を浴びることが多くなってきました。

確かに、環境問題をセクシーと言ってみたり、原発の汚染水に関する不用意な発言をするなど、問題があるのは事実です。しかし、以前は好感度が高く、将来の首相候補として高い人気を誇っていました。

前澤氏ツイッター、政府サイトより:編集部

それが、有名フリーアナウンサーとの結婚を発表し、大臣としてデビューをすると、急に手の平を返したようにネガティブな批判ばかり受けるようになる。これは、小泉氏に限ったことではありません。

少し前に話題になったZOZOの前沢友作氏も同じです。アパレル業界の経営者として、短期間に会社を大きく育てる優れた手腕を発揮していました。ところが、お年玉のバラマキや有名女優との交際で一気に知名度が高まると、経営方法やツイッターの発言に批判が集まるようになり、あらぬ風評まで雑誌に書かれるようになってしまいました。

このように、メディアの露出が増え、世間の注目が高まると、今までポジティブな反応だった世論が、急にネガティブに変化してしまうリスクが高まります。

特に、テレビやSNSのようなメディアではその傾向が強まるようです。

ネガティブな風評が立つと、それを否定しても、最初の印象がその人につきまといます。むしろ、否定すればするほど、その発言が注目を集め、さらに多くの人がネガティブな論調に加わっていきます。説明したり、正しいことを伝えようと努力することが逆効果になってしまう。だから、多くの場合、沈黙してしまうしか対処方法が無いのです。

大量の情報が流れる中で、一つ一つの情報が正しいかどうかを丁寧に検証する人はほとんどいません。イメージだけで、何となく判断されてしまう。見た目や服装、経歴といったものも、そんなバイアスがかかるのを加速したりします。

小泉氏や前沢氏ほどの知名度や影響力が無くても、ネットやテレビといった媒体で顔と名前を露出している人は、常に「有名になることによるリスク」を抱えています。ある日突然、世間の見方がネガティブに変わるような出来事に巻き込まれると、事実とは関係なく勝手にイメージで判断されてしまうことになります。

これは、メディアに露出をする人は、誰でも覚悟しておくべきことです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年9月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。