いきなり新連載。NIKKEI STYLEでU-22世代のヒット商品と、その仕掛け人に迫る連載がスタート。
パソコン買うなら量販店より大学生協 その理由とは : NIKKEI STYLE
第1回目は家電量販店よりも値段が高い大学生協でなぜPCが売れるのかという話。単なるコスパではなく、安全、安心を求める学生の姿がそこに。
個人的に印象に残ったのは、大学生協は、学生のPCの壊し方を熟知しており、そのトラブルに対してとことんサポートしようとしているということ。
大学生は想像もできないようなPCの壊し方をする。大学の教室や研究室で落とす、自転車のカゴにPCを載せそのまま転倒し落下させる、自宅でいつの間にか踏みつけていた、寝ているうちに下敷きにしていた、コーヒーやコーラ、ビール等の液体をこぼすなどだ。
大学生協のスタッフは、学生ならではのPCの壊し方を熟知した上で、多くの場合にフォローできる安心のサポートを用意している。壊れた際の4年間保証だけでなく、より深刻な壊れ方をした際のための4年間動産保険も用意している。後者は落下や、ジュースをこぼすなどの理由でPCを壊した際に修理代を自己負担金5,000円で限度額まで補填する制度だ。
「再購入補助」という制度もある。修理不能な場合や、修理費用が限度額を超過した場合は、修理せずに生協で新しいパソコンを購入するための補助額を受け取ることができる。
慶應義塾大学の生協では、1年生が入学後3ヶ月でPCを全損した際のエピソードが資料として学生に共有されている。ノートPCの画面と気ボードの真ん中にジュースがかかってしまった「水濡れ」だった。
修理の見積もりをとったところ、メイン基板とほとんどの部品を交換しなければならないので、通常だと272,376円かかる。しかし、慶應義塾大学の生協が提供している、限定モデルである「塾生パソコン」のPanasonicのLet’snoteは「4年間動産保険」があり、1年目は145,000円の保険がおりる。それでも12万円ほどかかる。
これに「再購入補助」を絡めることにより、48,880円で同じLet’snoteを購入することができた。なお、修理の見積もりが出るまでの間は、代替機貸出サービスを利用し、普段の勉強に支障をきたすことがなかった。手厚いサポートを物語るエピソードだった。
ちなみに、私学で教員をしているが、大学生協のPCカタログはなかなかおもしろくて。メモリの容量などを予めカスタマイズしたモデルが提供されている。AppleやMicrosoftなど、あまり特別対応しない外資系メーカーを含めてだ。また、びっくりするような大安売りもたまにある。激レアな「こんな商品があったのか?」というアイテムも。
今後もますます深く活用しよう。うん。
というわけで、新連載、よろしく。頑張る。
編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2019年10月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。