「賞味期限切れの水は飲めるので台風など非常時に捨てないで!消費者・行政・メディア みな賞味期限を誤解」という記事を先日Yahooニュースで発見しました。この記事は、井出留美(食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学))さんという方が書いた記事ですが、「これは私たちが知っておくべき情報だな!」と読んでつくづく思いました。
井出さんの記事は2019年9月12日付の東京新聞夕刊『賞味期限切れ「飲料水」配布 富津市、生活用水用を誤って1800本』という見出しの記事を受けて書かれていました。
その記事を簡単に要約すると、『千葉県富津市が、先月の台風15号で被災した市民に非常用飲料水(ペットボトル)を配布しました。ところが、この飲料水は賞味期限が切れていた為、その事を市民から指摘をされました。これに対して、富津市は「「このような事態を招き申し訳ない。期限が過ぎたものは飲用ではなく、生活用水として使用してほしい」と市が呼びかけた』という記事なんですね。
さて、この記事を受け、井出さんはこう書いています。
「ペットボトルの水に表示されている賞味期限は、飲めなくなる期限ではない。」
「賞味期限は飲めなくなる期限ではない。」私はわかります。以前、『食品ロス:賞味期限はいつまで大丈夫なのか』(2019.03.27)で消費期限と賞味期限は違うと書きました。ところが、井出さんによると、「ペットボトルの水」はさらに違う意味があるそうです。
井出さん曰く、長期保管中に水が蒸発し、表記してある内容量を満たさなくなることで計量法に抵触する、すなわち、規定の内容量をきちんと満たすための期限だそうです。
いやぁ、こんな意味があるなんて私も知りませんでした。
ですから井出さんは市民の理解不足がまずある。しかし、仮に市民がそうだとしても行政がしっかりと説明をすべきだ。その上でマスコミがこのような報じ方をしていることも同様に理解不足だと言っているわけです。
なるほど私もそう思います。
加えて私は被災地で起きてるこの行政のミスをあげつらうマスコミの習性もあると思いますね。
そして井出さんを最後に、
「災害は「非常事態」ではなく、いつでもどこでも「起こり得るもの」と考え、過去の事例を教訓に、水も、食べ物も、無駄に捨てないようにしたい。」
と結んでいました。
それにしても、賞味期限が美味しく食べられる、美味しく飲める期限だとわかっていましたが、水の場合は内容量まで含む定義だったとは。
これ、大変勉強になりました!
でも、わかりにくくない?
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年10月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。