これは褒めるべき。立花氏が動かなければ有権者は困ったはず

早川 忠孝

すべての国政政党が自前の候補者を立てない、ということになったら、それこそ前代未聞の珍事になるところだった。(※動画はANNニュースより:編集部)

参議院埼玉選挙区の今回の補欠選挙に何らかの意義を見出すとすれば、選挙を通じて現下の国政や政治状況について大方の国民がどう評価しているのか知ることが出来るということだったろうと思う。

前埼玉県知事が完全無所属を標榜し、政党の色を完全に消してしまって立候補するということになってしまうと、大方の有権者はいわば透明人間に投票するか、それとも棄権して無関心若しくは不信任の意思表示をするしかなくなるところだった。

NHKから国民を守る党は、今は立派な国政政党の一つになっており、立花氏は現実に参議院議員の議席を獲得した人だから、いわゆる泡沫候補ではない。
その言動には依然として危なっかしいところが付きまとっているが、NHKのテレビ放送のスクランブルかを求めたり、NHKの運営の改善を求め続けている姿勢には結構共感する人が多い。

先の埼玉県知事選挙で当選を果たした大野氏以外の候補者に投票した有権者が今回の参議院埼玉選挙区の補欠選挙で立花氏に投票するかどうかはまったく分からないが、立花という候補者が登場したことによって選択肢が出来たことは間違いない。

立花氏のいいところは、なんと言っても誤魔化しがないところだろう。
どこの団体とも特別のしがらみがないようだし、何らかの利権とも無縁のようなのもいい。

その言動の危なっかしさは、いずれ克服されるはずである。
決して順風満帆な人生を送っては来られなかったようだが、案外そういうところがご本人の強みになる可能性がある。

長年泡沫と目されていた人がここまで大きくなった、というのは、考えみれば驚異である。

立花氏は、決して社会の底辺におられた人だとは思わないが、NHKから国民を守る党の周辺には色々な方が集まられていたようだ。
表社会の軌道から外れてしまうと、なかなか元の軌道に戻れないのが今の社会の現実だろうと思うが、ひょっとしたら立花氏はそういう方々にとっての希望の星の一つかも知れない。

投票率が25パーセントを超えるかどうかが、今回の補欠選挙の見所の一つである。
立花氏の立候補で投票率が10パーセントでも伸びれば大成功と言っていいだろう。

関係者の皆さんの奮闘に期待している。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年10月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。