長友佑都も被害 !? 悪徳ビジネスの片棒を担ぐ中吊り広告

非常に信頼感と影響力のある電車の中吊り広告が、悪徳ビジネスの宣伝を、書籍を迂回して行っている事に対し、世間は危機感を持つべきではないかと感じています。というわけで、まずは、具体例としてあげる、悪徳ビジネスの説明から入ります。

ぱくたそ

前回の記事に登場した、Fリーグよりも人気が出始めていると言われるFC NAKAIと関係がありそうだと書いた3人の情報商材関係者がいます。そのうち、長倉顕太さんと佐藤和貴さんは、長友佑都選手の絡む案件でも非常に気になる事をしています。

おさらいですが、長倉顕太さんと、前の記事では省略してしまった清水悠貴さんが主催する、こちらの3日で動画をお金に変える方法という情報商材販売サイトがあります。そして、ここで清水悠貴さんの弟子の月収100万円超えの人物として紹介されているのが、佐藤和貴さんです。

このページに自分のメールアドレスを登録すると、次のページのリンクが送られて来ます。

このページには、

「アナタも3日でこんな動画が作れる!

清水悠貴の教え子たちの動画サンプル」

を無料でプレゼント

と書かれており、サッカー少年の画像が貼られています。その画像、よく覚えておいて下さい。

出典:http://internationalpublishers-syndicate.com

その上で、佐藤和貴さんの公式ページにある、制作実績のページを見てみましょう。この方は、長友佑都選手の子供向けのサッカースクールのPVも制作されているようです。そのPVの49秒に注目してください。先ほどのページの、プレゼント用のサンプル動画と全く同じ画像です。

出典:YUTO NAGATOMO FOOTBALL ACADEMY PV

ちなみに、佐藤和貴さんの公式サイトによると、この長友選手のスクールの動画のドローン画像を撮影したのが、Yuya Ohashiと書かれています。この名前、すでに見た人もいるかもしれません。

実は、「3日で動画をお金に変える」のサイトの実績のコーナーで、佐藤和貴さんと並んで「多忙な理系大学に通いながらも月収70万稼ぐ大学生クリエイター」で、ドローン撮影を勉強していると紹介されていた方が大橋祐哉さんです。

つまり、長友選手のスクールの子供たちの動画は、長倉顕太さん、清水悠貴さん、佐藤和貴さん、大橋祐哉さんらの意思により、参加特典として利用されていると考えられます。そういった形での動画の使用を、スクール生の親御さんたち、長友佑都選手、ならびにスクールの方々は許可しているのでしょうか?常識的に考えて、そうは思えません。

こんな事態が起きているなら、同じラインの人脈が制作している、前回の記事で紹介した、FC NAKAIというフットサルチームを追う「目指せ!Fの頂」というYoutube番組の動画も、何らかの情報商材に組み込まれていないか疑問が湧いてきて当然です。

さらに、この件に関し、Twitter上で、こんな書き込みを見つけました。

佐藤和貴さん、大橋悠哉さんがnagoriという団体を設立し、初めての顧客が長友選手のスクールだったという事でしょうか。

スクールとnagoriという団体が、どんな関係なのかは分かりません。ですが、世界的サッカー選手である長友選手のスクールの運営者が、もし実績の無い団体に動画制作を依頼していたのなら、脇が甘すぎ、責任が問われると思います。

とはいえ、現在、動画業界は人手不足ですし、依頼先を探すのが難しいのも確かです。そこに加えて、電車の中吊り広告の責任があるように感じます。

なぜなら、長倉顕太さんは、中吊り広告にもよく登場する、ベストセラー作家として知られた人物であるからです。ですから、スクールの方々が、nagoriの最初の顧客として動画制作を依頼する時、バックとして長倉顕太という名前が上がったとしたなら、安心感を覚えた可能性すらあったと思います。

実際、昨日15日、長倉顕太さんは、新刊を発売されています。

これまでの書籍も、書店で平積みで大展開されてきました。そんな状態で、中吊り広告にまでなっている書籍の著者には、かなりの安心感があると思います。

この書籍の実績だけを見れば、長倉顕太さんが、長友選手のスクール生の動画を無料サンプルとして配布するような人物とは、到底、予測できない気がします。ここに中吊り広告の「闇」があると思うのです。

そもそも、長倉顕太さんの出版目的が、誰かに伝えたいメッセージがあるのではなく、書籍を使い迂回して情報商材の中吊り広告を打つことにあるように感じます。

長倉顕太さんは、ご自身のnoteで、こんなことを書かれています。

実は前作『モテる読書術』発売前にクラウドファンディングをやらせてもらいました。

おかげさまで600万円以上の支援金をいただき、電車広告を出したりと販促活動に使用させていただきました。

ついでに、こちらの投稿も見て下さい。

長倉顕太さんの場合、クラウドファンディングですから、大村知事よりも、より足がつかずに自分の資金を投入し、本を売れているように見せることも可能な印象です。また、600万円も資金が集まったとあれば、その情報自体も信用に繋がります。

その上、実際に中吊り広告が掲載されている状態で、本が書店に平積みされていれば、本も実際に売れるでしょうから、かなりの信用を得ることが出来ると思います。

ここで、長倉顕太さんの商材の単価を考えてみましょう。長倉顕太さんの商材を買って、金銭トラブルが発生したと実名で書かれている方のブログを見てみます。

そこには、10万円のフロント商品を買うと、その後に50万円ほどの本商品が用意されているとあります。よくある情報商材のパターンを考えると、その後に、より高額な商材が販売される可能性もあるでしょう。

つまり、仮に長倉顕太さん自身が広告として、クラウドファンディングの600万円全額を支払っていた場合でも、粗利の非常に高い高額な商材を扱っているので、簡単に回収出来てしまうように思えます。

長倉顕太さんが、実際、こうしているかは分かりません。ですが、こんな仕組みを作る事も可能とあれば、中吊り広告は、情報商材業者の片棒を担いでいると言われても、否定できないのではないでしょうか。

それにしても、鉄道会社は中吊り広告を掲載する前に審査すると言っていますが、どんな審査が行われているのでしょうか?

例えば、長倉顕太さんの『3日で動画をお金に変える』という講座自体の広告であれば、中吊りには掲載しないはずです。しかし、そういった講座を主催されている方の著書であれば、中吊り広告を掲載するのでしょうか?出版社を経由するから責任は無いという事でしょうか?それには違和感を覚えます。

さて、実績に登場した佐藤和貴さん、大橋祐哉さんの若い2人に対しては、私個人としては長倉顕太ブランドを信頼してしまった、中吊り広告の被害者なのではないかと、同情の気持ちもあります。

実は、私自身も、大学生の頃、同じように悪質情報商材業者を信じてしまい、投資で200万ほど失った事があります。そして、学生だった私には想像できないほど、情報商材業者という大人には、彼らを慕う若者に対する情がなく、カモでしかないと理解するのに、時間を要した体験があります。

だから、やっている事は擁護できませんが、どこか若い2人には同情的になってしまうので、早急に人脈をリセットして頑張れと一言書いておきます。

それにしても、常々感じているのですが、日本社会は、高齢者に比べ、若者を守ろうという意識が、低すぎるように感じます。オレオレ詐欺と同じぐらい、若者をターゲットにした情報商材業者の、書籍を介したステルスマーケティング的な中吊り広告にも対しても厳しい目を向け、気の毒な若者を増やさないようにしてあげるべきだと思います。

渡辺 龍太
(コミュニケーションから居場所論を考えるなどの著書多数)
Twitter  ブログ

Youtubeチャンネルを開設しました。
私がプロデュースしている人物による、下剋上メディアというYoutubeチャンネルで、こういった悪徳ビジネスの解説など、さまざまなトークをお送りしています。