コメンテーターとしてレギュラー出演しているbayfm「POWER BAY MORNING」にて、『課長島耕作』シリーズについての特集を組んで頂いた。無駄に熱く、約10分間、語り倒した。パーソナリティーの光永亮太さんもその熱量に圧倒されていた。
ちょうど『モーニング』では取締役編が始まり。会長編の12巻がリリースされ・・・。
さらに、異色作『騎士団長島耕作』がリリースされたばかり。これは語らざるを得ない。
私はこのシリーズの大ファンで、全巻持っている。外伝的作品も含めて、だ。私の島耕作コレクションをスタジオに持ち込んだ。
そんな中、パーソナリティーの光永亮太さんからこんなご質問を頂いた。
「島耕作に興味があっても、どこから読んでいいのかわからないのですよね・・・」
さすが!
そう、これ。
これは、シリーズ作品の「あるある」の悩みである。『STAR WARS』どこから見るべきか問題とか、『ターミネーター』どこから見るべきか問題にも通じるものがある。最初からと言うのだが、初期作品は今やレトロすぎて、見るのが辛かったりもする(もちろん、その時代の新しい取り組みをしていた点や、映像技術だけではない作品の魅力を味わうべきではあるが)。
島耕作に限らず、私なりの答は3つ。
1.最新作をチェック
→まずは、いま、やっているもの、出ているものからチェックしよう。数回読めば、ストーリー、世界観、キャラ設定などは理解できる。島耕作は取締役編くらいから、ビジネス事情紹介漫画の色が強くなっているので、ビジネス雑誌の漫画版だと思って読めばついていける。騎士団長~はじめ、コラボものも、マニアを唸らせるだけでなく、島耕作の世界観を紹介するものなので、入りやすい(率直に、駄作もあるが)。
2.自分と同じ年齢の島耕作を読もう
→島耕作は10代から70代まで、すべての世代のストーリーがある稀有な作品である。自分と同時代の島耕作はどうしていたかという視点で読んでみよう。
なお、事前の打ち合わせで、私がこの論を紹介したところ、放送作家のオカヒデキさんから教えて頂いたのだが・・・。なんと、みうらじゅんさんも同じようなことを言っていたとのころ。「ボブ・ディランはどこから聴くべきか?」という相談をよく受けるそうで。「あなたと同じ年齢の、ボブ・ディランを聴いてください」というのが、みうらじゅんさんの答らしい。なるほど。やっぱりこれはやり方のひとつだよね。うん。
3.傑作と言われるシリーズを読もう
→長く続いている作品には、全盛期、黄金期などと言われる時期はたしかにあり。個人的な評価では、島耕作は課長編、部長編が面白く。あとはヤング編。なかでも、学生編~就活編がナイス。最も面白いシリーズを読むというのがありだと思う。
語りだすときりがないので、このへんで。まあ、とにかく、そのシリーズに、著者に飛び込むことが大事なのだ。うん。
編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2019年10月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。