連載④ 森ゆうこ議員:質問通告の事前公開は「言論封殺」に全くつながらなかった

森ゆうこ参議院議員の「国家戦略特区ワーキンググループ 何が問題か」連続ツイート15~20は、「質問通告情報漏洩」の“疑惑”に関するものだ。

私に関わる事実関係はすべて、以下の2つの記事に記載した。
「情報漏洩」は何一つない。

人権侵害を行った国会議員が「情報漏洩」を指摘するのは筋違いだ
原口一博議員の内閣府職員に対する「無礼」発言はおかしい

詳細はこれらをご覧いただきたいが、ポイントを時系列で並べておくと、以下のとおりだ。

1)10月11日夜、内閣府から私に、森議員が私に予算委員会への参考人出席要請をしているとの連絡があった。その際、国家戦略特区に関する質問通告の内容も併せて伝えられた。

参考人出席要請があった以上、内閣府担当者が私に、質問通告の内容も含めて連絡したのは当たり前だ。「何を質問するかわからないが、参考人として国会に出席せよ」などという話はあり得ない。

2)質問通告の中には「嘉悦大学」とあった。経過の詳細は上記記事をご覧いただきたいが、参考人として答弁する場合に備えて、私は嘉悦大学教授の高橋洋一氏に連絡し、質問通告に「嘉悦大学」とあることを伝え、必要な事実確認を行った。

こうしたケースで、外部の関係者に必要な情報伝達・事実確認をするのも、当たり前だ。これは、守秘義務のかかっている国家公務員であっても同じだ。そうしなければ、必要な答弁準備ができない。

3)12日夜、池田信夫氏に、「11日20時頃に内閣府から参考人出席要請などの連絡があった」ことを伝えた。

これは、質問通告時間が遅かったかどうかが、ネット上で議論になっており(池田氏の主宰するアゴラを含め)、不正確な情報や憶測の拡散を防ぐため、自分の知る情報を伝えておくべきと考えたためだ。当然だが、質問通告の内容など無用な情報は伝えていない。

4)質問通告の中には「特区ビジネスコンサルティング社」(以下「特区ビジネス社」)ともあった。

これは、「国家戦略特区利権隠ぺい疑惑 野党合同ヒアリング」での議論経過などを踏まえると、15日委員会で私への不当な中傷がなされる可能性を予期させるものだった。自らの社会的信用を守るため、14日朝、「特区ビジネス社」について質問通告があったことをSNSとアゴラで公開し、正しい事実関係を説明した。

これが、私に関わるすべてだ。

森議員はなぜか、このうち4)に触れていない。
高橋洋一氏が「14日朝の虎ノ門ニュースで質問通告の一部を公開」したことを批判するならば、公平に、私が「14日朝にSNSとアゴラで質問通告の一部を公開」したことも問題にしたらいい。

そうすれば自ずと、質問通告の公開は「質問権の侵害・言論封殺」に全くつながらないことが明らかになる。

なぜなら、15日の予算委員会では、私の14日の情報公開にかかわらず、そこで私が説明した事実関係を一切無視し、私に対して、およそ事実無根のとんでもない誹謗中傷が繰り広げられたからだ。

連載⑤に続く

原 英史
1966年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。政府の規制改革推進会議委員、国家戦略特区ワーキンググループ座長代理などを務める。著書に『岩盤規制 ~誰が成長を阻むのか』(新潮新書)など。


編集部より:この記事は原英史氏のFacebook投稿をベースに一部加筆・作成されました。