IS国家首脳の斬首作戦実行。次の番は金正恩だ!

27日午後10時20分、トランプ大統領は、ISイスラム国家(武装集団)指導者、アル・バグダディを米軍特殊部隊が斬首作戦で除去したと発表した。冷戦時代から米国は反米国家の指導者を除去したり反米政権を転覆した前例が多い。

バクダディ容疑者(BBCニュースより引用)

一国の武装テロ集団であるISは2014年からシリアとイラク地域に勢力を拡大して欧米人を斬首し、ヨルダン人操縦士を残忍に殺す様子をYouTubeで流した。日本人も人質になった事がある。

米軍はクルド族と協力しながらIS掃討作戦を共にしたが、米軍がシリアから撤収するやシリア北部のクルド族地域にトルコ軍が武力侵攻する事態を招いた。それで、クルド族自治区と国際社会では米国に裏切られたと言う反米世論が広がった。

だが、今回の斬首作戦で5年間、続いたIS掃討作戦が一段落したと言える。さらに、米国はシリア地域で米軍撤収の失策を挽回する成果を上げたと言えよう。専門家の間では次の番は金正恩だろうと言われている。時期としては斬首作戦と外科手術空爆の開始は来年春か、9月末、米大統領選挙1〜2ヶ月前が絶好のチャンスだろうと考えられる。

Gage Skidmore/flickr、朝鮮中央通信より:編集部

外科手術空爆は外科手術前の麻酔と同じく、空爆寸前に電磁波で敵軍事施設を麻痺させる。電子戦技術と戦力は米軍が世界一である。

トランプ大統領は2017年、大統領の別荘で開催された米中首脳会談の晩餐会途中、シリア空爆を命令し、習近平は面子が潰された。2018年には英米仏3ヶ国が連合軍を組んで2回目のシリア空爆に踏み切った。当時、シリアに駐屯する中国軍とロシア軍が最新対空ミサイルS-400で反撃出来なかった理由は米国との戦争に巻き込まれたら、中ロの経済が破断する危険性が怖かったからだろう。

2回のシリア空爆は北核問題を巡って中国とロシアに対する警告を示唆している。イランが米軍偵察機GlobalHawkを撃墜したりサウジ油田がイランから攻撃されてもイランを攻撃しない理由は、北核問題の解決が優先順位であり、力の分散を止めるための時間稼ぎだと考えられる。

予想される北核問題の解決の選択肢は3つのシナリオが考えられる。
先ずは、現状維持(StatusuQuo)、次はソフトランディング(レジームチェンジ)、最後はハードランディング(軍事行動)、すなわち、斬首作戦と外科手術空爆である。

冒頭で述べた通り米国は反米政権を転覆したり反米指導者を除去した事例が多い。
取り分け、トランプ大統領は落ちた支持率上昇と再選を狙って対北軍事行動に踏み切る可能性がある。米国は海外で戦争に踏み切ると、大統領支持率が上がると同時に戦時特需効果と愛国心が発生して国内結束をもたらす国柄である。

ちなみに、1991年湾岸戦争と2003年イラク戦争でブッシュ親子の支持率は90%以上V字上昇した前例がある。

トランプは経営者出身として大統領の座までのぼり詰めた。経営者はサラリーマンとは違って一歩間違えれば会社が潰れ、全員がリストラされるから命賭けで頑張るものだ。

山あり谷ありの厳しい人生で七転び八起きの成功人生を成し遂げたトランプ大統領の手腕が問われる。

高 永喆
拓殖大学主任研究員・韓国統一振興院専任教授、元国防省専門委員、分析官歴任

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