徴用工基金を創っても被告企業の拠出は拒否すべき

共同通信が、「日韓両政府が元徴用工問題を巡り、韓国の政府と企業が経済協力名目の基金を創設し、日本企業も参加するとした案が浮上」と報道している。正確さに疑問はあるが、日本政府は関与しない基金というのは、誰でも考える案であるので論評しておきたい。

李洛淵首相と会談した安倍首相(官邸サイトより)

私はそこに徴用工問題で被告になっている日本企業は参加しないというなら反対ではない。むしろ、媚韓派のひとたちが拠出すればいいと、アゴラでも提案したことがあるし、『ありがとう、「反日国家」韓国 – 文在寅は〝最高の大統領〟である! 』(ワニブックス)にも書いている。

私の案は、韓国がつくる財団に日本も含む世界の企業や個人が自由に拠出するというもの。そこに、「徴用工問題で被告となっている企業は参加しない」ことを明確にする。ぜひ、媚韓派の人たちが拠出して欲しい。とくに鳩山由紀夫は共和党をつくるよりこっちに出したらいいし、朝日新聞や大村秀章、在日の人たち、孫正義なども寄付すればいい。

あとは、被告になっている企業の社長などが個人的に少し出して玉虫色とすることが限度だ。

韓国は「慰安婦」に対する「和解・癒やし財団」を一方的につぶしておきながら、「徴用工」についても同じような方式で、両国の出捐による基金などを模索するというのでは、筋が通らないが、相手からの提案に対して、いかなる場合もゼロ回答というのではエンドレスで建設的ではないし、ある種の玉虫色も外交の世界では必要となる。

そこで、私の提案は、関係企業は出さないということをもって譲れぬ一線にすることだ。

八幡 和郎
八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授