問題意識
ここ1年くらい、ずっとモヤモヤしてたんですよ。
いつの間にか組織が600人くらいになって、なかなか一人一人のスタッフが何やっているのか見えなくなってたり。
赤字事業部の社員が、全く危機感を持っていなかったり。
現場と本部事務局との間で、心理的な溝があったり。
ちょっとした改善も、いろんなところに話通さなくちゃいけなくなって、重たくなっていたり。
新規事業思いついてワクワクしてて、周りを見たらそういう人は自分だけで、それにガッカリしたり。
あれ、何かどこかで組織デザイン、間違えたかな、と。
フローレンスは事業型NPO(≒ソーシャルビジネス)なので、事業会社のピラミッドストラクチャーを当初より採用していて、それゆえ、事業をきちんと回せる組織には発展できたかと思います。
けれど、何か違うな、と思うように。
ティールとの出会い
そんな時に出会ったのが、僕の処女作「社会を変えるを仕事にする」を出してくれた英治出版( 原田 英治 (Eiji Harada) )さんが出した「ティール組織」という本で、これがめっぽう面白かったんです。
(「ティール組織」は長編なので、時間が無い人は「イラスト解説ティール組織」が読みやすいです )
これまでの組織のあり方ではなく、社員一人一人がリーダーシップを取って、階層構造によるマネジメントではなく、自己管理的に動いていく新しい組織の形を提示していました。
ただ、挙げられていた企業が外国が多く、環境変数も結構違うから
「まあ、うちみたいなドメドメの福祉団体だと無理かもなぁ・・・」
なんて、半ば諦めていました。
サイボウズ青野社長
そんな折、フローレンス理事会でサイボウズ社長、青野理事( 青野 慶久 (Yoshihisa Aono) )から、「駒崎さんと現場の距離が気になります」とズバッとコメント頂いたんですね。
で、よくよく聞くと、サイボウズがティール組織の実践を始め、効果を出していると言うじゃありませんか。
こんな近くに、ロールモデルが!
その場で「1日カバン持ちやらせてつかあさい!」と懇願しました。
何かヒントが得られるのでは、と。
インターン当日
そんでもっての、1日インターン。
内容は、こちらに余すことなく書かれています。
コミカルに書かれていますが、実はガチでめちゃくちゃ勉強になりました。
経営者が経営者について、意思決定やコミュニケーションのやり方を学ぶ、って、実はめっちゃ勉強になるのでは、と、新しい経営者育成手法となるのではなかろうか、とすら思いました。
その後
今、サイボウズで学んだ翌日から、組織改革を始めました。
とりあえず情報公開から手をつけよう、と、僕が事務局社員向けに出していた週報を、全社員に公開することになりました。
これまで非公開だった経営会議の議事録も全社員に公開することに決めました。
また、現場の保育士とは担当マネージャ→現場担当職員→園長→保育士という経路でしか話せなかったのですが、それをダイレクトにコミュニケーションできるようなプラットフォームを作ろう、ということにもなりました。
フローレンスは法人化(NPO認証)から15周年経ちました。
ここまで結構頑張って、残業の無い、働き方の先端を走ってこれたように思います。
今後は、「働きやすい」だけでは無く、「社員個人の主体性と当事者意識が最大化される組織」を目指していきたいと思います。
本当に、良ききっかけを与えてくださったサイボウズさん、ありがとうございました!
※記事はこちらからどうぞ!
フローレンス駒崎が、サイボウズ青野社長の一日カバン持ちをやってみた! ~40歳のインターン 経営者の時間術を学ぶ~
編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2019年11月8日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。