GSOMIA破棄となるのか、感情が判断を支配する国の行方

岡本 裕明

日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を韓国側が破棄する日が11月22日に到来します。日本のみならず、アメリカからも破棄の撤回を働きかけていますが、頑なな姿勢はいまだに変わっていません。そしてオウム返しのように「日本が厳格化された輸出管理を撤回すれば考え直す」といいます。

(写真AC:編集部)

(写真AC:編集部)

日米は様々なルートから韓国高官、大臣、そして文大統領に働きかけをしますが、なぜ、一向に変化がないかといえば再考するといった時点で感情的隙間を見せるからであり、言った当人がどれだけ非難、バッシングの対象となるか彼らは皆恐れているからでありましょうか。

韓国は感情が支配する国と揶揄され、「国民情緒法」とも囁かれますが、「感情が法律になる」というほどですから「やっぱり日本と再交渉しよう」というのは「法の番人である国民の声に対する法律違反」になり、せっかく得た高官や大臣の椅子を捨てるようなもの、と考えられます。個人的にはGSOMIAは一旦は破棄になると予想しています。(土壇場で破棄延期をする可能性は2~3割あるかもしれませんが。)

ところで韓国が目指す朝鮮半島再統一も相当遠い道のりです。アメリカは北朝鮮とのトップ会談をするための実務者協議での進展を目指していますが、双方の意思はより離れていく方向にあり、直近ではロシアが仲介を試みたもののそれも失敗に終わったと報じられています。金正恩氏が何を目指しているのかも読みにくくなっています。

何のためにアメリカはそこまでしてまで北朝鮮、韓国にちょっかいを出すのか、といえば利権なのだろうと思います。仮に国交樹立や統一となれば北朝鮮再開発に絡む相当規模の投資機会が生まれるでしょう。北朝鮮の埋蔵資源もあります。また中国のみならずロシアと北朝鮮がほんの少しだけ国境を接している点においてアメリカの北朝鮮を介した外交的価値はあると考えられます。

その点からすればアメリカが半島に強い影響力を持つ戦略性と価値は大いにあるわけです。トランプ大統領はその点、北と南の両面から外交的アプローチをかけながら主導権を握るべくバトルをしているとみてよいでしょう。その中でGSOMIAの破棄はアメリカにとって直接的には困らないと思われますが、韓国への外交的圧力は厳しいものになるとみています。(飴と鞭のようなものでしょう。)

ところで産経新聞が「『200万人デモ』実は7万人 ビッグデータが暴く韓国“民意”の虚実」と報じています。いわゆる集会に集まる人数の発表は主催者側はいかにも民意の賛同を得たと思わせたいため、おおむね実数の2倍ぐらいにふかすことはありますが、何十倍にもなっている数字をあたかも本当のように報じている韓国のニュースに価値などありません。信憑性ゼロであります。

こう見ると韓国の国家運営はあたかも人気投票のようなものであります。さすがK-POPが世界を制するだけのエンタテイメント性はあります。政治が娯楽のように人気で左右される国家にまともに向かい合うほどばかばかしいこともありません。我々日本はどう自分を守っていくのか、そちらに注力することが日韓問題を一番平和的解決方法かもしれません。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年11月13日の記事より転載させていただきました。