天皇陛下の存在を今一度嚙みしめよう

先週から今週にかけての週末は、天皇陛下の即位に当たっての行事が相次ぎました。
9日(土曜日)には即位を祝う国民祭典が皇居前広場で開催されました。

これは国民側からお祝いをする行事だったわけですが、具体的には超党派の国会議員連盟や経済団体などで実行委員会を作り開催しました。

式典では、女優の芦田愛菜さん、歌舞伎役者の松本白鸚さん、経団連名誉会長の御手洗冨士夫さん、日本オリンピック委員会会長の山下泰裕さんがお祝いのメッセージを、奉祝曲を辻井伸行さんのピアノ演奏で嵐の5人が歌い上げました。さらに国家独唱はオペラ歌手の森谷真理さんが務められました。

翌10日(日曜日)はパレードが行われました。これパレードと呼んでましたけれども、即位に当たっての一連の儀式の一つで、祝賀御列の儀といいます。これは国事行為に当たります。

私もテレビで見ていましたけれども、NHKの中継の視聴率は関東で平均で27.4%、最高瞬間視聴率は32.1%ということで、とても高い数字でした。ほぼ全ての民放が中継放送していましたので、民放各局の視聴率を合わせると45.5%と非常に関心が高かったことが伺えます。関東の地上波はテレビ東京もMX TVもやっていましたが、中継していなかったのはテレビ神奈川でテレビ神奈川は横浜マラソンの中継でした。

各局の平均視聴率
NHK 27.4%
日本テレビ 5.1%
テレビ朝日 3.5%
TBS 3.1%
テレビ東京 1.4%
フジテレビ 5.0%
合計 45.5%
※いずれも関東地区

やはり、こういうときぐらいは、国民みんなが天皇陛下をお祝いするということで私いいと思いますね。日本国憲法にも国民統合の象徴と書いてあるわけですからね。

5月に天皇陛下が即位されてからいくつかの一連の儀式がありました。今回の祝賀御列の儀をもって国事行為、すなわち国が行う行事はすべて終わりということになります。

天皇の即位に関する国事行為
5月1日  剣璽等承継の儀
5月1日  即位後朝見の儀
10月22日  即位礼正殿の儀
10月22日〜(全4回) 饗宴の儀
11月10日  祝賀御列の儀

しかし、即位に当たって儀式はまだ続くんですね。
天皇陛下が皇位継承に伴い、一世に一度だけ行う皇室伝統の大がかりな神事、大嘗祭(だいじょうさい)が明日11月14日夕から翌日未明まで行われます。それまではお休みではなく、昨日12日は大嘗祭前二日御禊、すなわち大嘗祭に備えて心身を清めるという日なんですね。例年は新嘗祭と言われ、11月23日に五穀豊穣に感謝し、国家国民の幸せを願い祈る宮中祭祀のなかでも最重要な行事です。

その意味は、実りの秋のこの時期に収穫に感謝を捧げるということです。ですから儀式の中では感謝と祈りをささげて夕御饌(ゆうみけ)と朝御饌(あさみけ)、すなわち夕御飯と朝ごはんの儀式があり、今年の作物に初めて天皇陛下が口にするということになります。それぞれ2時間ずつほどかけて行われ、終了はなんと夜中の1時。寒いし、体力も使うし大変なことだと思います。でもこちらは国事行為ではなくて神事は宗教的意味合いが強いということで、皇室の行事というふうに分けられています。

私はこれ宗教的行事と言っちゃっていいのかと疑問を持ちますけれども、現憲法下にいちゃもんがつかないように厳しくすみ分けをしているということなんでしょうね。それでもぜひ、メディアにはこういった意味を伝えてもらいたいと思いますね。

憲法に天皇は日本国民統合の象徴と書いてあるわけですが、その地位を持って天皇たり得ているわけではないわけですね。
天皇とは何をする人か、それは常に国民の幸せを念じ、国民に希望や勇気、活力を与えてくれるそういう意味をですね、ぜひこの機会にかみしめたいと思います。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年11月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。