大嘗祭は国民統合の儀礼

天皇の代替わりに伴う大嘗祭(だいじょうさい)の中心的儀式、大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀がとり行われました。

大嘗祭は、新天皇が即位後初めて国の安寧や五穀豊穣を祈る最も重要な宮中祭祀とされており、今年とれた米を天照大神にお供えすると理解されがちですが、大事なことは「米」だけでなく「粟」もお供えされるということ。

日本は古来より瑞穂の国とのイメージを持つ方々も多いと思いますが、実は東北・北海道で米作りが本格化したのは明治以降の話です。また、全国には稲作民が渡来する以前、それこそ縄文の時代から粟や稗などを作る畑作民が暮らしを営んでいました。

「米」と「粟」を天神地祇(てんしんちぎ)にお供えするということは、高天原の神々と土着の神々に対する統合儀礼であり、おそらく縄文人と弥生人が大きな争いなく共存するための国民統合のお祭りとしての役割を果たしてきたのではないかと思います。

世界の各地では国家の分断や民族の分断が絶えません。こうした中、天皇陛下が全身全霊をもって自然の神々から賜る食べものに感謝し、すべての国民の安寧を願い祈りを捧げられる。こうした伝統ある祭祀を大切にしていかなくてはならないとあらためて思います。

国民の幸せと世界の平和、そして皇室の弥栄をお祈り申し上げます。


編集部より:この記事は、国民民主党代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2019年11月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。