本日(12月2日)朝、「国会議員による不当な人権侵害(森ゆうこ参議院議員の懲罰とさらなる対策の検討)に関する請願書」を提出しました。
森議員による人権侵害の経過
10月15日参議院予算委員会で、森議員は私を名指しし、「国家公務員ならあっせん利得、収賄で刑罰を受ける」と発言しました。私が特区提案者から金銭を受け取ったとの意味です。
森議員は毎日新聞記事を根拠として示しました。しかし、ネタ元の毎日新聞も、そうした報道をしたつもりはないと主張しています。
争いの余地のない、事実無根の誹謗中傷です。
森議員に対し、発言につき説明を求め続けていますが、今日に至るまで、説明がありません。あまりに無責任な対応です。
私は、当事者双方の証人喚問を求めていますが、これにも全く対応いただけていません。
さらに、11月7日参議院農水委員会では、私の自宅住所を掲載した資料を配布し、終了後、ホームページで公開・SNSで拡散しました。
国民民主党の玉木代表は謝罪コメントを公表していますが、森議員ご自身から私には、いまだに謝罪がありません。
この件は、ついうっかりではなく、自宅住所とわかっていて公開したはずです。なぜこうした行為に及んだかの説明もありません。およそあり得ない対応です。
請願について
請願では、こうした言動について懲罰の検討を求めています。また、国会における人権侵害の再発防止策の検討を求めています。
10月19日から、インターネット上で署名集めを行ってきました。11月29日13時までに、66,624人の賛同をいただきました。6万6千人の声に後押しされた請願であることを、国会でも受け止めていただきたいと思っています。
この請願がもし握りつぶされるならば、国会には重大な欠陥がある、といわざるを得ません。
国会議員には免責特権が与えられています。国会での発言につき、国会外では、民事でも刑事でも責任を問われません。
過去にも、ある病院の院長が、国会で議員に誹謗中傷され、自殺した事件がありました。遺族が最高裁まで争ったものの、敗訴しました。理由は、発言が真実と立証されたからではなく、免責特権の壁が立ちふさがったためです。
特権があるからこそ、国会議員は一人一人が、自らの発言に責任を持たなければなりません。間違ったときは、速やかに訂正・謝罪しなければなりません。まして、説明を求められて黙殺するなど、ありえないことです。
そして、本来あってはならないことですが、責任ある言動をとらない国会議員がいるときは、国会として対処いただく必要があります。つまり懲罰です。
国会が正常に機能を果たせないならば、免責特権は危険極まりない制度です。国会は、人権侵害し放題の場となりかねません。
本日提出した請願につき、国会議員の方々に、党派を超えて、問題を認識し受け止めていただけるよう、最大限の努力をしていくつもりです。
このあと、国民民主党の玉木代表、参議院予算委員会・農水委員会の理事の方々などに、請願の写しをお届けし、賛成いただくようお願いしようと思っています。
国会が正常に機能することを信じています。
参考:請願書(全文)2019年12月2日提出
国会議員による不当な人権侵害
(森ゆうこ参議院議員の懲罰とさらなる対策の検討)
に関する請願書
一、請願の趣旨
憲法第51条では、「両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない」とされています。
しかし、だからといって、誤った報道に安易に依拠した名誉毀損など、国会議員による不当な人権侵害は許されるべきでありません。
森ゆうこ議員は、10月15日参議院予算委員会で、原英史・国家戦略特区ワーキンググループ座長代理が不正行為を行ったかのような発言を繰り返したうえ、「(原氏が)国家公務員だったらあっせん利得、収賄で刑罰を受ける(行為をした)」、すなわち「原氏が財産上の利益を得た」との事実無根の虚偽発言をしました。
森ゆうこ議員は、発言の根拠として、6月11日の毎日新聞一面記事をパネル化して提示・配布しました。しかし、この記事が虚偽報道であることは、原本人が根拠を挙げて繰り返し説明しています。原は毎日新聞社に対して名誉毀損訴訟を提起しており、訴訟の中で毎日新聞社は、「原氏が金銭を受け取ったとは報じていない」と弁明していることも、すでに明らかにされています。
その状況下で、森ゆうこ議員がNHK中継入りの予算委員会において、十分な事実関係の調査もなしに、何ら根拠のない誹謗中傷を行ったことは、許されるべきでない人権侵害です。
また、11月7日の質疑で森議員が配布した資料には、原の自宅住所が無断で掲載され、しかも、森議員は質疑後、そのまま自らのホームページで公開、ツイッターで拡散しました。(抗議書送付の後、8日夕方、住所情報は黒塗りして再公開されています。)
他人の住所情報を無断で、一般に広く公開・拡散することは、法的にも常識的にもありえない人権侵害です。
二、請願事項
1 森ゆうこ参議院議員に対し、除名などの懲罰を検討いただくことを求めます。
2 あわせて、こうした事案の再発防止のため、さらなる対策を国会において検討いただくことを求めます。
紹介議員:浅田均 参議院議員
請願者:朝比奈一郎、生田與克、池田信夫、岩瀬達哉、上山信一、加藤康之、岸博幸、鈴木崇弘、髙橋洋一、冨山和彦、新田哲史、原英史、町田徹、八代尚宏、屋山太郎(五十音順)
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原 英史
1966年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。国家戦略特区ワーキンググループ座長代理、大阪府・市特別顧問などを務める。著書に『岩盤規制 ~誰が成長を阻むのか』(新潮新書)など。