読売の記事で真っ青?立憲民主党と国民民主党の合併は機能するか?

立憲民主党と国民民主党に、合併する、しない以外の第三の道はあるか

昨日(2日)の読売に立憲民主党の現職国会議員の肝を冷やすような重要な記事が出ていた。

立民若手ら衆院選不安…「国民」合流構想、比例復活枠を奪われかねず(読売新聞オンライン)

国民民主党サイトより:編集部

あくまで2017年の衆議院選挙結果から割り出した数字でしかないが、それでも関係者の皆さんにとっては無視出来ない数字だと思う。

立憲民主党と国民民主党のどちらの方に勢いがあるかと問われれば、普通の人は立憲民主党に軍配を上げるだろう。
世論調査による政党支持率を見れば一目瞭然である。国民民主党や無所属から立憲民主党に移る人はいても、立憲民主党や無所属から国民民主党に移る人を見かけないから、現職の国会議員の間での評価がどうなっているかは自然に分かってくる。

ほう、こういう状況なら立憲民主党主導での合併に一直線に突き進むのかな、と思っていたら、実はそうは問屋が卸さない、という状況だということが読売の記事で明らかになった。

小選挙区制選挙の下で、圧倒的に優位に立っている自民党の候補者を野党の候補者が打ち破ることが如何に難しいことか、ということは選挙に関係している人なら皆、ご存知だと思う。

野党系の候補者は、ごくごく一部の極めて選挙に強い候補者を除いて、小選挙区では敗れて、重複立候補している比例区での復活当選を目指さなければならないことになる。

比例区での復活当選を目指す候補者の敵は、他の小選挙区から立候補している自党の候補者ということになる。
惜敗率の多寡を競う骨肉の争いが待っているということである。

2017年の選挙で希望の党から立候補して落選した候補者の惜敗率は結構高かったようである。希望の党から立候補した候補者が現在どこでどうされているかは具体的には分からないが、どうやら国民民主党の枠内に収まっている人が大半のようである。

今の国民民主党にかつての希望の党のような集票力があるかどうか分からないが、2017年の選挙結果をそのまま現在に当て嵌めれば、立憲民主党から立候補して比例区で復活当選した方々が大きく議席を失う結果になる、というシミュレーション結果になったそうだ。

年内に立憲民主党と国民民主党の合併を促す声が出ていたが、こういう情報が出てくるとどうなるか分からない。
やはり、一寸先は闇ですね、と言わざるを得ないだろう。

第三の道があるのだったら、そちらの道の方がいいかも知れない。

立憲民主党と国民民主党、合流してもやはり上手く行かないな

水と油のようなものではないから、立憲民主党と国民民主党を合流させる方法はあると思っているが、まず清流になる可能性はない。

若い方々は立憲民主党の古強者に振り回されるだけで終わるだろうから、自分たちのいいところを伸ばすチャンスを失ってしまう虞が強い。

共産党に対してどういうスタンスを取るのかが決まっていないと、一旦合流してもいずれは分かれることになる。

国民民主党から立憲民主党に移籍したい人はさっさと移籍させる方がよさそうだ。元自由党の人の中には立憲民主党の方がふさわしそうな人もおられるから、そういう人にも立憲民主党に移籍してもらう方がいい。

国民民主党は、玉木さんを中心に若い方々の政党としてリニューアルさせる方が魅力を増すはずだ。
少々青臭いくらいでいい。

政策を語ることである。
政治の理想を高く掲げることである。
既成政党の手垢が付いていない若い優秀な人材を広く募ることである。

無理な数合わせに付き合う必要は、さらさらない。
いずれは、「民主」の名称を外して国民党とでも名乗ればいい。
如何かしら。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年12月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。