例年12月から3月にかけて流行するインフルエンザ。
昨年の流行期には、累積推計受診患者数は約 1200 万人(国立感染症研究所発表より)。
インフルエンザは、幼児・児童がひとたび罹患すると、重い場合は1週間ちかく登園登校ができず、働きながら子育てをする親は、仕事を長期間休むなどの対応に迫られます。
兄弟や親自身を含む家族への感染力も高く、インフルエンザは子育て世帯への脅威です。
予防接種でインフルエンザの罹患や重篤化のリスクを下げたいと考える人が増え、ワクチンの予防接種率は年々右肩上がりです。(厚生労働省データより)
中でも、ひとり親家庭にとってインフルエンザ罹患は致命傷です。
子どもが罹患した場合、両親がかわるがわるお休みをとれる家庭と違い、ひとりで看病をしなければなりません。
ご自身が罹患した場合も含め、長期休業が直接経済的なダメージとなるひとり親家庭にこそ、インフルエンザワクチン接種が求められます。
しかしインフルエンザワクチンの予防接種は健康保険が適用されず、原則として全額自己負担となっています。
平均単価約3500円で、例えば親1人子ども1人の場合7000円の実費が発生します。
(※各自治体や健康保険組合のサービスにより異なります)
経済的に困難を抱えるひとり親家庭にとっては、インフルエンザワクチンの接種にはハードルがあると予想されます。
そこで、僕が理事長を務める「医療法人社団ペルル マーガレットこどもクリニック」では、居住区を問わず、都内のひとり親家庭の親子を対象に、1000円でインフルエンザの予防接種を行います。
また、今年度はフローレンスの訪問型病児保育サービス「フローレンスの病児保育」でひとり親支援プランを利用している会員(会員約200名のうち希望者)も対象とします。
こうしたソーシャルアクションを通じて、
「経済格差が健康格差に繋がっている」
「予防接種にも公的支援を」
ということをしっかり社会に訴えていけたら、と思います。
お知り合いにひとり親家庭がいらっしゃる方は、拡散ご協力お願いいたします。
マーガレットこどもクリニック 院長 田中純子コメント
昨年から実施した「ひとり親家庭へのワクチン接種」。昨年は、5人家族で予約された方がいました。「通常の価格で家族全員に接種した場合、万単位のお金がかかってしまうので、とてもではないが、接種が難しい。」とおっしゃっていました。
一人がかかると家族内に次々とかかる可能性が高く、親御さんが仕事を休めない状況で、こうしたご家族にこそワクチンが必要だと考えました。今回も少しでも家族の助けになると嬉しいです。
実施概要
フローレンスとマーガレットこどもクリニックでは、ひとり親家庭の親子をワクチン提供で支援し、インフルエンザの感染拡大を防ぐ対策に努めて参ります。
❒対象者:児童扶養手当受給中のお子さんとその保護者(居住区は問いません)
※渋谷区住民の1歳~中学3年生のお子さんは区のワクチン補助で無料になります。
❒料金 一人 1000円(税込)
❒実施期間:2019年12月2日〜2020年1月31日(在庫がなくなり次第終了します。)
❒接種時間:クリニック診療時間帯
❒持ち物:児童扶養手当受給証。お子さんが接種する場合は、母子手帳、保険証・乳幼児医療証をお持ちください。
❒予約方法:マーガレットこどもクリニックの予約ページより
「インフルエンザ」をご予約し、窓口でお申し出ください。
(電話でのご予約は受付しておりません。診察券がなくても予約可能です)
*予約のルールについては以下で詳細をご確認ください。
*多くの方に利用頂きたいため、本キャンペーンの利用は子どもも含めてお一人様1回限りとさせて頂きます
編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2019年12月5日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。