飲食店の「ランチ始めました」は危険な兆候

内藤 忍

銀座でワインバーを経営してから5年が経ちました。飲食業をやっていてつくづく感じるのは、立ち上げるのは簡単ですが続けるのは難しいと言うことです。

SHINOBY’S BAR銀座の近くにある飲食店の多くは、既に別の店舗に入れ替わっています。同じビルの1階は別のラーメン店になり、その隣の牛丼店はタピオカのお店に変わってしまいました。

飲食店は軌道に乗れば、大きな利益率が見込めます。しかし、客足が伸び悩むと、売り上げが伸びず、食材の廃棄ロスも増え、コストを抑えざるを得なくなります。食材やスタッフのクオリティーの低下から、より客足が遠のくというネガティブスパイラルに陥ります。

そんな苦境に陥った飲食店が手を出してしまうのが、ランチです。

昼間の不稼働時間を少しでも有効活用しようと始めてしまうわけですが、労働時間がより長くなり、その割には売り上げが伸びません。

収入が増えるかもしれませんが、働いている人たちのモチベーションは下がり、従業員はより疲弊し、結局は思った通りの成果にならないことが多いのです。

だから、夜しか営業していなかったおみせが「ランチ始めました」と張り紙をしたら危険なサインです。

夜だけでも充分な売り上げが見込める繁盛店は、むしろランチをやめて、夜の営業に特化し、更に売上を伸ばしていくのです。

「冷やし中華始めました」と張り紙する中華料理店は、夏の風物詩で良いことだと思いますが、「ランチはじめました」と入口に書いてあったら、そのお店のカウントダウンが始まったことを示していると思った方がよいでしょう。

ちなみに、SHINOBY’S BAR 銀座は、今のところ冷やし中華もランチもやる予定はありませんので、安心してください!

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年12月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。