かつての日本の検察はまさに秋霜烈日の見本のような峻厳さがあったように思うのだが、内閣人事局制度が始まってから妙に政権に阿っているのではないかしら、と思うような事象が散見される。
あからさまに司法の正義を歪めているようなことはないだろうが、忖度くらいはありそうだなと思わせてしまうところがいけない。
政治に弱くなった検察というイメージが定着しないように、検察庁の皆さんには頑張っていただきたい。
検察ファッショと言われるような時代になってはいけないが、検察がちっとも機能していないじゃないかと国民から指弾されることがないように、背筋をピンと伸ばして職務に専念していただきたい。
わが国では韓国を貶めるような言論が喧しいが、韓国の検察は様々な政治的圧力を撥ね退けて結構頑張っているようである。
ほう、韓国の前法務大臣に逮捕状請求?
大統領の側近中の側近と言われたり、一時は次期大統領の呼び声もあったというチョ・ググ前法務大臣に対して、韓国の検察が元釜山副市長の収賄被疑事件に不当に介入して調査を打ち切らせたという容疑で裁判所に対して逮捕状の請求をしたというのだから、韓国の検察の方が如何にも秋霜烈日のように見える。
日本の職権乱用罪と韓国の職権乱用罪とでは職権乱用罪の構成要件が異なるので、一概に日本の検察が職権乱用に甘いとか鈍感だとは言えないが、現在の日本の政界では庶民の感覚では職権乱用じゃないのかな、と思わせるような事象が目立ってきている。直ちに刑事事件として立件できるようなものではないと思うが、それでも箍を嵌め直さなければならないな、と思うことが多い。
検察は、正義を実現するという重大な使命がある。
伊達に胸に秋霜烈日のバッジを付けているわけではないはずである。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年12月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。