国民民主党と共産党が選挙協力をすることに関して私が批判すると、協力推進派の津村啓介議員が次のようにツイッターで書き込んだ。
更に次のようにも指摘している。
確かに共産党が綱領を変化させているのは事実だ。しかし、その本質は何も変わっていない。
「天皇制」(制度ではないので、これは共産党用語)と民主主義が両立しないという基本的な立場を守りながら、直ちには廃止しないといっているだけだ。民主主義の成熟とともに国民が「天皇制」を廃止してよいと考えたときに、廃止すると主張している。自分たちは決して民主主義と「天皇制」が両立しないと考えている点が重要だ。基本姿勢として反天皇の路線に変化はない。
日米同盟に関しては廃棄して、米軍基地を日本から一掃することを主張し続けている。
そして、自衛隊に関しては「違憲」の存在だと主張しながらも、国民が支持している間に廃絶することはないと説いている。「違憲」の存在でも、自分たちの意向で存在していてもよいというのだから、日本共産党は「立憲主義」を否定しているわけだ。
天皇陛下の存在、日米同盟、そして自衛隊に関して、通常の日本国民とは相当考え方が異なる集団が日本共産党なのである。津村氏は綱領の変更があったことを強調するが、上記の考えは綱領の変更後の考え方だ。言葉を左右させて、共産党が普通の政党であるかのように糊塗し、自らの選挙で応援を得ようとするのは、極めて卑劣な態度だといわざるをえない。
共産党について詳しく知りたいという方は、拙著『「リベラル」という病』の中で共産主義について分析した箇所をお読みいただければ幸いです。
動画でさらに詳しく説明しておりますので、ご覧いただければ幸いです。
岩田 温 大和大学政治経済学部講師
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、同大学大学院修了。専攻は政治哲学。著書に『偽善者の見破り方 リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』(イースト・プレス)『人種差別から読み解く大東亜戦争』『「リベラル」という病』(彩図社)、『逆説の政治哲学』(ベスト新書)、『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)、『流されない読書』(扶桑社)などがある。ブログ『岩田温の備忘録』