毎週土曜日にお届けしている「今週のつぶやき」も今年はこれが最後なので思い切って1年間を振り返り「今年のつぶやき」をお送りします。令和となりラグビーにゴルフにテニス、卓球にバトミントンとスポーツ界が元気でノーベル賞も頂けたことは国民に明るいニュースとなりました。何かと暗いニュースや嫌なニュースが目立ちますが、できれば明るく行きたいものです。
では今年のつぶやきです。
経済編
一言でいえば帆に風を受けて走り続けた1年でした。日経平均は1月4日が19561円、12月には24000円台をつけるそのチャートは春から夏にかけてやや足踏みしたものの消費税増税があったのに基調は強いものでした。一方のNYダウは23000㌦台から28000㌦台とこちらも力強さを感じた1年でした。
トランプ大統領は通商戦争で中国に噛みつき、FRBには金利とドルが高すぎると吠え続け、市場はトランプ劇場に翻弄されながらも通商戦争は第一弾の合意を、FRBからは3会合連続の利下げを勝ち取り、したり顔でありました。ただ、経済的には目玉がなかったような気がします。
GAFAからも自動車業界からも家電業界からも世界的に大ヒットした新製品はなかったと思います。日本ではワークマンとタピオカがヒット商品としてトップランクですが、ビジネス的にはちょっと大衆的すぎな気もします。
株価は上昇すれど消費は堅実さを増すということはマネーはどこに行ったのか聞いてみたいものです。確かに私の財布も使っていないのに軽いです。生活物価がジワリと上がっていてどこかで吸い取られている、そんな1年だったのかもしれません。
政治編
安倍劇場は今年も健在でした。選挙でも強さを見せ、根強い期待感があるものの週刊誌的な野党の声で今年は秋に桜が咲く珍現象、おまけにIR副大臣逮捕のおまけ付きで年越しとなり、国会では防戦気味、またしても無駄な時間を過ごした7年目でした。憲法改正はどこに行ったのでしょうか?
ただ、外交だけ見れば引き続きうまく立ち回ってきたと思います。なんだかんだ言いながらもトランプ大統領と敵対関係になっていない数少ない国家元首であり、年末にイランのロウハニ大統領が来日しアメリカとの橋渡し的役割を、日中韓の会議では中国との関係改善を改めて強調、韓国とも遂に会談をしました。まさに全方位型外交で目立ってはいないけれど日本のプレゼンスは維持できたように感じます。あえて言うならロシアとの関係は進展しなかったのが残念です。
野党は正直、よくわかりません。100人に聞きました。野党の名前を挙げてくださいといってきちんと名称を言える人がどれだけいるでしょうか?N党の立花孝志氏は10月の埼玉知事選から選挙4連敗となるも話題作りでYouTuberとしての収入を得ているようです。いくら安倍嫌いでもこんな野党に国政を任せることはニッポンの沈没が自明の理であります。だから消去法で石破茂氏の人気が高いのかもしれませんが。
社会編
いろいろありましたが、私が引っかかるのは京都アニメとあおり運転にみる「最近の若者は…」でしょうか?これ以外にも親子の間の殺人も頻繁に起きていました。切れやすい若者、自分の人生設計がまるでなく、海外でおれおれ詐欺をやっている若者、挙句の果てに終身刑の判決が出て万歳をした馬鹿者もいました。
引きこもりの人の数は40-50代の方が若者より多いのですが、個人的にはその若者層も20年もすれば引きこもる人数が増えるとみています。人間としての自立ができなくなっている人が増えていることに一種の恐怖心すら覚えます。親はそんな子供にびくびくで腫物に触るような状態にあります。
ネット社会が生み出した弊害なのか、ゆとり教育の問題だったのか、はたまた派遣労働に会社のコンプライアンス、効率経営で人間が人間らしさを失ったのでしょうか?これじゃ、子供作るどころか結婚すらできなくなります。経済も政治も体裁はよかったけれど私が一番心配なのは日本人が本当に幸せに暮らし、夢と希望ある将来を見据えているのか、という点であります。50代から上の人はどうにでもなります。私は40代から下の人の本当の声を聴き、世の中のずれを直すことがまずは重要ではないかと強く感じます。
後記
「魔薬」ならぬ麻薬が今年も芸能界を激震させたことは忘れがたい事件でした。麻薬が欲しかったのか、悪いことをすることに社会への抵抗と興奮を覚えるのかわかりませんが、そんな刺激がないとやってられないとすれば残念なことです。あいも変わらず、関電、日本郵便など企業の謝罪も続きました。
麻薬芸能人とかけて謝罪企業トップと解く、その心は「もうやりません!」。2020年に期待しましょう。
ではよい年末をお過ごしください。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年12月28日の記事より転載させていただきました。