英語勉強、筋トレ、読書……、やると決意したのに挫折する、先延ばしにする、結果を実感できずにあきらめる。そんな「続けられない」が重なると「何もやれないダメな自分」に陥ってしまう。
今回は、『「続けられる人」だけが人生を変えられる 』(青春文庫)を紹介したい。著者はメンタルコーチの大平信孝さん。
小学生の頃、学校の先生から必ず言われることがある。「みんな仲よくしなさい」。学校という組織のなかでは非常に大切なことである。しかし、クラスの中で必ず仲のいいもの同士が集まるようになる。つまり派閥だ。クラスの中で、強い派閥と弱い派閥がせめぎ合う。内側の派閥争いは幼い頃から経験しているのである。
これは社会人になっても変わらない。派閥争いは確実に組織の弱体化につながる。だから、社会人になったら無理にみんなと仲よくする必要性はない。仲よくする人は選んだほうがいい。付き合う人によって、あなたがどういう人になるかが決まってくる。
コンサルティングの仕事をしていたときの話になる。部門単位でヒアリングをしていくと、上司の言葉遣いが部下に伝染していることがある。A部長の部下は「しかしながら」を多用する。B部長の部下は「ビシッといこう」、C部長の部下は「ジャスト・ナウ」。人物観察をしていると、その人の言葉遣いが移っているのが面白い。
あなたの周りには、どんな人がいるか考えたことはあるだろうか。どんな人に囲まれているかで、自分がどんな人になっていくかが決まっていく。サボってばかりいる人、愚痴ばかり言う人、憂鬱で暗い人ばかりいると、あなたもそういう人になってしまう。だから、つきあう人を選ばなくてはいけない。
本書のテーマである「続けられる人」になるためには個人に起因する内面性よりも、外的環境。つまり周囲からの影響力が大きい。あなたにとってメリットがある人と一緒にいることを心がけることでよい影響を受けていくはずである。本書は、習慣改革法を伝授する一冊。きっとあなたもなりたい自分に変わる?
[本書の評価]★★★(73点)
【評価のレべリング】※標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★ 「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し 「レベル0!読むに値しない本」50点未満
※2020年に紹介した書籍一覧
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※15冊目の著書『すぐやるスイッチ』(総合法令出版)を出版しました。