長らく、RCFの主力事業の一つは「コミュニティ形成支援事業」でした。UBSグループさんに支援を頂きながら、釜石で地域コミュニティ復興のための取り組みを開始。
まず、現地にコミュニティコーディネーターを置かせてもらいました。14のまちづくり指標を設置したこと。若者・女性ふくめた地域住民の主体性をひきだすアプローチ。釜石市との強いパートナーシップ。釜石の多様な課題に対応するために、行政とも地域コーディネーター「釜援隊」を組織したこと。いずれも、UBSさんに世界各国の被災地でコミュニティ支援を行ってきたノウハウを提供頂き、RCFが日本流東北流にアレンジして培ってきました。
UBS Team Tohoku 復興のまちづくり支援プロジェクト(UBS銀行ウェルス・マネジメント)
近年は釜石での取り組みをモデルとして、岩手県庁の事業として、陸前高田や花巻にもコミュニティ支援を横展開させています。
阪神大震災の頃から、「コミュニティ形成」の必要性は有識者等から訴えられていましたが、取り組みをすすめるNPOへの助成等に限定されていました。東北復興以降は、これが一変しています。「心の復興」がソフト復興の一丁目一番地となり、年間200億円の資金が投下され、様々な被災住民を支える取り組みが行われています。
RCFの取り組みは、コミュニティ形成の一つのモデルとなりました。岩手県だけでなく、福島県でも双葉町や大熊町で復興支援員事業として取り組まれましたし、政策提言を通じて福島県の県営公営住宅に100人以上の支援員が配置されることにもつながりました。
昨年私も委員をつとめた復興庁の総括ワーキングでも、これまでの振り返り、そして今後の復興においてもコミュニティ支援は大きく位置づけられています。
他方、コミュニティ支援については、「スタンダード」ができていない面があります。東北では手厚い支援が行われていますが、その後の熊本復興や西日本災害復興では限定的です。
RCFとしては西日本災害で、フィリップモリスジャパン社の支援で、宇和島NPOセンターへの資金支援を行っていますし、昨年の台風災害からの復興では、休眠預金資金を活用してコミュニティ支援を行う予定でいます。
今後も予想される大規模災害でも、かならずコミュニティ形成は必須です。後世に復興を担当する自治体職員やNPO関係者が参考にできるように、RCFとしてもノウハウを蓄積していく考えでいます。
編集部より:この記事は、一般社団法人RCF 代表理事、藤沢烈氏の公式note 2020年1月9日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は藤沢氏のnoteをご覧ください。