三宅雪子さんの死に想うこと…

1月6日に元衆議院議員 三宅雪子さんが入水自殺で亡くなられたとニュースがながれ大変驚きました。

三宅雪子さんツイッターより

元政策秘書の藤川さんが、アゴラさんに追悼の辞を寄せられていますが、

さようなら三宅雪子さん。元政策秘書より追悼の辞

私も、三宅雪子さんとご縁がありました。
何度か三宅さんのネット番組にも出させて頂きました。

自殺の原因はわかりませんが、多くの方がご指摘されているように、三宅さんはネットでの執拗な嫌がらせと、ストーカー被害に苦しまれていました。
三宅さんのSNSをご覧になれば、それら嫌がらせについてすぐに判明します。

私にご連絡頂いたのは、カジノ法案がきっかけのご縁でしたが、プライベートでも「ストーカーには、依存症の治療法は効果があると思うか?」などのご質問が度々あり「誰も助けてくれない」と本当に悩んでおられました。
SNSの発信を見ていると、私以外の様々な方も相談を受けたと仰っておられます。

週刊文春さんなんかは、三宅さんの個性的なコミュニケーションについて、否定的とも思える書き方をされていますが、三宅さんは、国会議員ではじめてご自身がADHDを告白された方でもあり、様々な新しいことにチャレンジしながら、福祉に多大なる関心を寄せられていた勇気ある女性だったと思います。

自殺の原因がなんだったのかは不明ですが、私は、三宅さんに対する執拗な嫌がらせについて、是非きちんと捜査して欲しいと思っています。

知人が自殺すると、誰でもすごく落ち込むと思いますが、特に今回のように相談を受けていた身となるとその想いはまたひとしおです。

この嫌がらせの事件は相当入り組んだ話しで、私も正直どうしたら良いか?妙案が浮かびませんでした。
ただご一緒にお食事させて頂いた際も本当に怯えていて、すごく気の毒に思っておりました。

よく自殺対策では「誰かに相談しよう」「誰かに話そう」というメッセージが流れます。
例えばツイッターで「死にたい」とつぶやけば、「あなたの思いをそのまま聞かせて」というメッセージと共に、自殺防止センターのアカウントが出てきます。

でも三宅さんは沢山の人たちに相談されていたし、ご本人も様々な対応をされていましたけれど、執拗な嫌がらせは止むことなく、SNS上でも匿名者による悪意のある誹謗中傷は途絶えることがありませんでした。

誰に話しても、相談しても問題が解決しない・・・この状況ではむしろ、相談する度に絶望が増したのではないかと思います。

もちろん相談することは絶対に必要ですけど、相談された人たちに解決策がなければなりません。
三宅さんの死で改めて、自殺対策そして支援のあり方について考えさせられました。
心よりご冥福をお祈りいたしております。


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト