こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
昨日は党の財政金融部会からスタートして法案レク、そして3日後に迫った予算委員会の質疑作成&意見交換とみっちりでした…。
法案や一般予算案に先立ち、補正予算とともに財政金融委員会では1つの特例法案が審議・採決されます。それが「平成30年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案」です。
この特例法案、実に東日本大震災の翌年以来8年ぶりの登場とのことです。
名前が(内容も?)小難しいのですが…。
膨大な金額を執行していく政府機関は、どうしても予算を執行しきれず「剰余金」が発生する場合があります。
とはいえ財政が潤沢でお金が余っているわけでは当然なく、国債を発行しながら予算を組んでいるわけですから、その剰余金の半分以上は国債償還(≒借金返済)に回さなければならないことが法律で定められています。
ただ裏を返せば「半分」までは他の用途に使えるということですから、補正予算が必要な時は前年度までに生じているこの「剰余金」を活用するわけです。
ところが今回の補正予算はその規模が大きく、剰余金の2分の1以下ではまかない切れない金額になっています。不足すれば、赤字国債を出すことになってしまう。
そこで赤字国債の新規発行を回避するために、「特例」としてこの2分の1ルールを今年度に限って破って良いことにし、補正予算額を補填したいということで、本特例法案が出てきているわけですね。
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んで、その根本的な仕組みについて先日から財務省と議論しているのですが…。
特例で剰余金を半分以上使って良いことにし、赤字国債の発行を抑制したとしても、その剰余金は本来「国債償還」に充てるはずだったものなわけです。
つまり、翌年に返すべきものを返せなくなるので、トータルの赤字国債の量は結局変わらないということになります。
念のため確認すると、償還を優先しようが新規発行を抑制しようが、特に金利による有利不利は生じないそうです。
だったら、特例でルールを破ってまで剰余金を活用することにどこまで意味があるのでしょうか…?
「赤字国債を新規発行したくない」という、もはや単なる心持ちの問題ではないかという気がしてなりません。
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言うまでもなくこのルールは、財政規律を保つためにあります。補正予算を組む場合でも、建設国債+剰余金2分の1範囲内で済むようにしなければならないわけです。
東日本大震災クラスであれば、剰余金ルールを破って補正予算を組むことにまだ理解ができるところですが、果たして今年度の補正予算案はどうなのか?
災害対策はもちろん必要である一方、それと無関係な経済対策をどこまで「緊要」な補正予算として認めるのか?
結局のところ、この特例措置を認めるかどうかは、補正予算案の「中身」の妥当性次第ということになります。
本体の補正予算案に賛成するなら、この特例法案にも賛成。反対なら、こちらも自動的に反対になるということですね。
参考過去記事:
災害対応「以外」も何でもアリ…ごちゃまぜ補正予算のあり方はこれでいいのか問題
でも本当に中身が妥当で緊要なのだったら、もはやストレートに赤字国債で良いような気がするし、そのやり方もありそうな気がするけど…とグルグル思考が回りつつ、補正予算案の賛否を本日の政調会で引き続き議論していきたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会、地域政党あたらしい党代表)のブログ2020年1月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。