加藤勝信厚生労働大臣が28日、新型コロナウイルスについて日本国内で初めて武漢渡航歴のない感染者が確認されたと明らかにし、ネット上では「ついに出てしまった。武漢からの入国を制限していれば」などの声が広がっている。
日本の複数のメディアは28日夕方、日本国内で新たに男性2人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されていると報じた。このうち1人は武漢から日本に来た人、もう1人は奈良県に住む60代の日本人男性のバス運転手で、今月2回にわたって武漢からのツアー客をバスに乗せていたという。
バス運転手の男性は14日に悪寒やせきなどの症状を訴え、25日には奈良県内の医療機関に入院、そして28日、新型コロナウイルスに感染していることが確認された。国内では6人目で、武漢の滞在歴がない人の感染が確認されたのは今回が初めて。
またその後、北海道でも中国武漢の女性の感染が新たに確認された。(参照:NHKニュース①・②、共同通信、Abemaニュース)
このうち共同通信の記事がYahoo!ニュースに配信されると、コメント欄には、「ついに出てしまった。武漢からの入国を制限していれば、少しはこういう事態も遅らせたのに」「ただ、観光業界の人たちは、仕事の性質上防ぎようがない感じもある」「政府は対応が遅すぎるし、悪すぎる」といった意見が寄せられた。
ついに出てしまった。武漢からの入国を制限していれば、少しはこういう事態も遅らせたのに。
とにかく、これ以上の感染拡大を防ぐしかない。
ただ、観光業界の人たちは、仕事の性質上防ぎようがない感じもある。
日本上陸とみて間違いない
政府は対応が遅すぎるし、悪すぎる
著名人では評論家の石平太郎氏が「この運転手さんの身に何かあったら、日本政府の責任が重大。運転手さんの回復を祈る!」と日本政府を対応を非難し、
中国に滞在歴のない奈良県在住のバス運転手さんの感染が確認された。1月に2回武漢市からのツアー客を乗せたことがあるという。この運転手さんの身に何かあったら、武漢からのツアー客の入国を止めなかった日本政府の責任が重大だ。運転手さんの回復を祈る!
https://t.co/dl3JgrhUah— 石平太郎 (@liyonyon) January 28, 2020
国民民主党の玉木雄一郎代表は、「感染拡大が新しいステージに入った可能性がある。中国、日本政府双方に正確な最新情報の発信を求めたい」と政府に要求。
武漢への渡航歴がない人からも感染が確認された。感染拡大が新しいステージに入った可能性がある。中国政府、日本政府双方に正確な最新情報の発信を求めたい。 https://t.co/0qKU4yxIs5
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) January 28, 2020
一方、この玉木氏のツイートには「だから桜だとか言ってないでインフルエンザ対策議論すればよかったんだよ」「もう桜やってる場合じゃないですよ」といった野党に対する厳しい意見も。
だから桜だとか男女別姓とか言ってないで国会でインフルエンザ対策議論すればよかったんだよ
もう桜やってる場合じゃないですよ。
今回の事例が発生する前からだが、ツイッター上では、コロナウイルスに関して医師による情報発信が行われている。
呼吸器内科医の中島啓氏は、WHOからの「コロナウイルス感染を予防する方法」として、「手洗いを、石鹸、あるいはアルコールで行う」「咳やくしゃみをするときは、ティッシュか屈曲した肘で、鼻や口をカバーする」「風邪症状の人に接触しない」「肉や卵は十分に調理する」などの日常的な感染対策を紹介。
*追記
・具体的には、咳やくしゃみをするときは、ティッシュか屈曲した肘で、鼻や口をカバーします。— 中島 啓(呼吸器内科医) (@keinakashima1) January 25, 2020
また感染症の専門家である今村顕史氏は、新型コロナウイルスの感染経路が「飛沫感染+接触感染」で通常のインフルエンザと同じことや、「隔離」という感染対策を現場の医師の立場から説明していた。
新型コロナウイルスの感染経路は「飛沫感染+接触感染」であり、「空気感染」ではありません。このことは通常のインフルエンザと同じです。個人個人の範囲で行えることは限られているので、日常的な感染対策をしっかりと丁寧に行うことを続けておくこと。それが最優先事項です。
— 今村顕史 (@imamura_kansen) January 25, 2020
(1/2)「隔離」というのは、感染症の流行をコントロールするためには重要な対策のひとつです。しかしその一方で、感染者の人権を制限する対応でもあります。
— 今村顕史 (@imamura_kansen) January 27, 2020
(2/2)感染者は、感染したくて感染したのではありません。そこには1人の人間がいるということも忘れてはいけません。現場では、このような部分にも十分に配慮して診療を行うことが大切だと考えています。
— 今村顕史 (@imamura_kansen) January 27, 2020