武漢から帰国も受診拒否:自らの頑なさを恥じているか?

現場の担当者の方々のご苦労はさぞ大変だったろうと思っている。

政府が苦心惨憺して調達したと思われるチャーター機に乗って武漢から日本に帰国した第一次帰国陣206名の内2名が受診を拒絶して自宅に帰ってしまったようだ。

記者会見する厚労省結核感染症課の日下課長(NHKニュースより編集部)

何の症状も出ていないということと、人並み優れた体力の持ち主で、自分だけは絶対に新型肺炎に罹らない、コロナウィルスへの感染などあり得ないと固く信じておられるのだろう。

どうしてそんなに頑なに受診を拒否されるのか私には理解不能だが、周りの方がどんなに説得されても頑として言うことを聞かなかったようである。

ご自分なりの理屈があるのだろうが、どんな場合も自分の理屈を通してしまうようであれば、ご本人は相当生き辛い人なんだろう。

法令上の根拠がなければ人の身柄を拘束できないことは日本の憲法に明記されていることだが、本人の同意なく強制的に受診させたり、強制的に入院等の隔離措置を講じることも出来ないことは当然の事理ではあるが、万一この方がコロナウィルスに感染しておられれば、本人はともかく周りの方に大変な迷惑を掛けることになる。

こういう協調性を欠いた人と付き合うのは実に大変だが、世の中には説得不能な人がいる、ということは間違いない。

受診を拒否しているから入国させないとか、出発地に送り返す等の手段は取れないだろうから、入国を認めたうえで自宅に送り届けたことは止むを得ないことだが、武漢在留の日本人の方々の無事と速やかな帰国を冀っていた大方の国民にとっては、唖然とするような事態ではあった。

さて、件のお二人は、今どんなお気持ちでおられるのだろうか。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年1月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。