自衛隊は実戦で“使えない”74式機銃をいつまで調達するのか?

カナダ軍新汎用機関銃C6A1を追加発注 2023年納入完了予定(おたくま新聞)

カナダ政府は2020年1月24日(現地時間)、カナダ軍の汎用機関銃C6の後継モデル、C6A1を総額9697万カナダドル(約79億9800万円)で3626挺、コルト・カナダから調達すると発表しました。これは2017年7月の発注に続くものです。

カナダ軍ではC6を現代の要求性能に合致させるべく、性能向上版となる「C6A1」を構想し、メーカーのコルト・カナダに試作させました。それにより完成したC6A1は「FLEX」というサブネームが与えられ、従来の木製に比べNBC兵器使用下での除染が容易な樹脂製のストックが採用されたほか、オプション品が取り付けられる汎用のM1913ピカティニー・レイルを本体上面に装備。拡張性が高められました。

カナダ政府は第1次分として、1148挺のC6A1を総額3210万カナダドル(約26億4761万円)で2018年9月から2019年6月にかけて調達。今回の追加調達で、残るC6をほぼ置き換えることになります。

調達単価はC6A1が約220万円ですが、一方自衛隊の74式7.62ミリ機銃ですが、まず調達単価は500万円前後と2倍以上です。更に申せばC6A1はレールマウントなどを追加しています。しかもFN社にライセンス料を払って生産してこの値段です。

74式7.62ミリ機銃(Wikipedia)

そもそも74式は駄目機銃である62式をベースに開発されており、性能、信頼性も低いわけです。同軸機銃型にしても装填が面倒くさくて、時間がかかり実戦的ではありません。

しかも陸自は普通科から7.62ミリ機銃を廃止して、5.56ミリミニミに置き換えてしまいました。こんな奇特なことをやっているのは陸自ぐらいでしょう。我が国は狭いから7.62ミリ機銃の射程は必要ないんだと。であればシンガポールや台湾、ベルギーだって必要ないでしょう。ですが廃止した国なんてありません。

しかも74式は弱装弾を使用していますから、射程貫通力ともNATO弾よりも劣ります。

空自は救難ヘリUH-60の機銃に5.56ミリミニミを搭載しています。普通の国では7.62ミリ以上の機銃を搭載しています。これでは自衛用として不十分です。どうせ形だけならば東京マルイのエアソフトガンのMk46でも買えばいいんです。お値段は162,800円と、国産MINIの1/20以下です。

陸自のヘリには12.7ミリのM2がドアガンとして搭載されていますが、これは俯角をかけるとよく弾づまりを起こします。

戦争する気がサラサラないならば、自衛隊の武装を解除して防災組織に鞍替えするべきです。そうすれば予算は半分以下ですむでしょう。当事者意識&能力のない組織に多額の血税をつぎ込むのは無駄以外の何ものでありません。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2020年1月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。