状況悪化を阻止せよ!あらゆる対策と協力が必要だ!

1月29日、新型コロナウイルスの発信源、中国武漢市から政府のチャーター便で206人の日本人が第一便として帰国しました。
帰国者206人のうち3人の方が新型コロナウイルスに感染をしていることが昨日わかりました。この方々を含めて現在国内での感染者は1月30日の18時現在で11人になっています(※1月30日23時現在14人)。

チャーター機での帰国者で罹患していた3人のうち1人は喉の痛みや発熱といった症状がありましたが、残り2人の方は何ら体調の変化がありませんでした。しかし、国立国際医療研究センターで行った検査の結果、ウイルスに感染していることがわかりました。

昨日の記事で、「自覚症状のない人から感染しているとしたら、もうすでに日本でも広がってるかもしれない」と言いましたけれども、まさに2人は自覚症状がなかったわけです。今回は武漢から帰ってきたということで症状がなくとも検査をして判明したわけですから、やっぱり日本でも感染が広がっている可能性は高いかもしれません。

これだけ報道されているわけですから、咳き込んでいるなどの症状があれば、本人だって気をつけますし周りも気をつけますけれども、自覚症状がないっていうのはやっぱり嫌ですね。206人の帰国者のうち、実はお二人が検査を受けていない、検査を拒否していました。この2人も自覚症状がなかったからだそうですが、昨夜の報道でお二人も検査を受けるようになったそうです。

「指定感染症」と「検疫感染症」に国は指定をしましたから、施行される2月7日からは強制的に検査を受けてもらうことができますが、現在は施工前の周知期間ですから強制ができないんですね。

オーストラリア政府のチャーター便は、武漢からオーストラリアの首都シドニーなどに行くのではなく、インド洋にあるオーストラリア領クリスマス島に向かうそうです。なんと「そこで2週間隔離をする」ことを条件に、同意した人がチャーター便に乗れるということですから、日本よりもこれかなり厳しいですね。

昨日も、第2便が200人の邦人が帰国、そして昨夜には第3便が向かいました。さらに希望者がいれば、来週派遣するということも現在政府では検討しているようです。政府にはまさに水際対策をしっかりやってもらいたいし、チャーター便に乗る方々にはぜひ協力をしてもらいたいと思いますね。

さて、昨日もお伝えした通り「2003年のSARSは半年かかってピークの8000人台になりました。そして、明日にもこれこそかもしれませんよ」って言っていましたが、昨日の夕方のニュースでは7711人と報道されていました。一昨日の正午の淡海ではでは6060人ですから、1日で1000人以上増えているわけで、もしかすると今日にもSARSの感染者数を越すかもしれませんね。

昨日の産経新聞一面の産経抄というコラムにこう書いてありました。

私たちがニュース映像で目にするマスク姿の中国人旅行者は、ほんの一部の富裕層である。これに対して、発生源となった武漢市内の生鮮市場では、主に出稼ぎの単純労働者が働いていた。

彼らの多くは、武漢が封鎖される前に、長距離バスや相乗りトラックで故郷に向かっている。

つまり国内においては、すでにウイルス拡散を防止するのは手遅れということだ。

(1月30日 産経新聞朝刊 産経抄より抜粋)

すなわち、武漢封鎖の前に長距離バスや相乗りトラックで田舎に向かったということは、中国では二次感染・三次感染、四次感染と蔓延してるかもしれないということですね。

これ武漢からの日本への航空便の乗り入れだけではなく、中国全土からの飛行機の乗り入れ制限や、また、入国者に対する検査、こういったことをより厳しくする必要があるんじゃないでしょうか。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年1月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。