目標達成できない人に強烈キク「継続力の薬」

こんにちは。黒坂岳央(くろさかたけを)です。
※Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

誰もがスマホを持ち、瞬時に便利な情報を手に入れられる現代においても、「継続力」について悩んでいる人は少なくないようです。継続力への処方箋にいろんな意見がネットには溢れていますが、情報を知ったからと言って実際の行動には、必ずしもつながらないのではないでしょうか。

筆者は「継続力は知能や理屈ではなく、システムの問題」と考えています。 

筆者はナマケモノから継続家へ

もともと、筆者は「超」つくものぐさでした。中学、高校生の時は朝起きるのが面倒、かつゲームにハマって不登校に。英会話スクールに学費を前納するも、最短では3日目に通わなくなって退学という体たらくです。

が、継続することの技術を体得してからは、継続する価値を感じる活動はなんでもできるようになりました。日記は20年ほど一日も休まずに書いています。ブログの通算記事数は約1,200記事ほど。早起きを決意してからは、何年も5時起きを継続し、ダイエットをすると決めてから体重は下記のとおりです。

特別、知性が高まったり、特殊能力が備わったわけではなく、継続することの方法論に気づいた結果なのです。そんな筆者の気づきをシェアします。 

継続力は意志の力では生まれない

「食べ過ぎをやめ、適度な運動をすれば痩せる」
「早起きして自己啓発の活動に励めばより良い未来を得られる」
「英語力を身につければ、人生で大きくプラスになる」

こうした「正論」は誰もが理解しつつも、実際の行動に結びつかず悩みを抱えているものです。人が行動できないのは理屈ではありません。「やればいいことは分かっている!けど」という「けど」にこそ注目するべきなのです。

たとえば年末年始の目標設定についていえば、9割型の人は目標を立てても年末に達成していることはないでしょう。

「今年は英語力をつける!」
TOEIC800点以上を取る!」
2時間早起きして、一日の学習時間を4時間確保して、NHKテキストをやってTOEIC800点を取る!」

と下へ行くほど具体性を増しています。一番上は「取る!」という決意だけで具体的なアクションには結びつきません。2行目もほぼ同じ。3行目からは具体性が増しています。ここまでブレイクダウンしたのだから、「これで行動できるでしょ?継続できるでしょ?」と思われがちですが、そうではないのです。実際には、このようなブレイクダウンをしても7日目には朝起きるのが辛くなり、1ヶ月後にはテキストを開くのが面倒になるものです。

脳内の意思の力だけでは行動力は生まれません。「理屈は分かった。でもやる気が出ない」と感情より論理が先行する場面が数多く存在するからです。 

システムの力で行動する!

結論的にいえば「継続力」はシステムの力で成功させることができます。

筆者はダイエットをする前、昼と夜は食後にデザートを食べていました。そのデザートの調達はコンビニやスーパー、1回の買い物で「お菓子だけで2000円」も買ってしまうことがあり、家には山盛りのデザートが常にストックされていた状態だったのです。

ダイエットをスタートして、筆者は財布を持ち歩くのはやめ、そもそもコンビニとスーパーに行くことを自ら禁止しました。これによってお菓子を買う方法を失ったので、食べたくても食べられない状態になったので、今は白砂糖を一切取っていません。また、夜だけは断糖(炭水化物を食べない)しました。

これらは意志力ではなく、システムの力です。ダイエット中についつい甘いものが食べたくなっても、財布もないし、お店にも立ち寄ることができないので、甘い食べ物がないのです。これでダイエットの成果が現れ始めました。夜もご飯やパンなどの炭水化物を排除したので、「食べたいないから食べようがない」という状態にしたわけです。

システムというのは、決まりであり、仕組みのことを指します。意志の力に関係なく、決まりだからやらざるを得ないという状態に自分の身を置くことで結果的に行動することになり、それを継続するというわけです。

システムは自ら作り出せます。たとえば筆者は今、取引先のメディア会社に20本ほど記事を寄稿しているのですが、「毎朝、1-2本ずつ必ず提出します」と約束を最初にしました。この約束により早起きが難しくなる冬の朝をハックすることができました。早起きしなければ、約束を破ることになります。

取引先は私が毎朝寄稿することを前提に記事の配信スケジュールを組んでいますから、「早起きが辛い」という事情など関係なく、約束したからには絶対に出さなくてはいけなくなりました。私はこのようなシステムの力を用いて、どんなに寒くて起きづらい日でも、100%早起きしています。

私は継続することについては、これまでの取り組みで自信とノウハウ、知識を蓄積することができました。そこから得られた結論をシェアするならば、「人の意志力は信用できない。システムに落とし込むことでしか人は行動しないし、継続しない」ということです。えらそうな主張に聞こえたらなんとも恐縮ですが、人は弱い生き物ですから熱き決意だけでは継続できないというのも、また事実なのです。

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。