1日1時間の読書タイムで、仕事も人間関係も豊かになる

(筆者撮影)

読書をするとき、ただ漫然と読みはじめている人はいませんか。もちろん、楽しむときの読書はそれでもいいのですが、限られた時間で本を読まなくてはいけないとき、いくつかの方法を加味することで読書のスピードや吸収力が一気に加速します。

今回は新著『頭がいい人の読書術』(すばる舎)から、読書テクニックをお教えします。

毎日読書をすることのメリットを考えてみましょう。まず、読書によって自分と異なった人の生き方や考え方を知ることで大きな学びがあります。

たとえば、波頭亮さんの『戦略策定概論』(産能大出版部)を読めば、マッキンゼーのコンサルタントでなければ知りえない専門的な分析手法を1冊で知ることができます。

塩野七生さんの『ローマ人の物語』(新潮社)を読めば、何十年もかけて蓄積したイタリアでの経験のなかで研究したことを、1冊の本で知ることができます。このような追体験ができるのは読書以外にはありません。

また、多くの文献を読むと、読書をすることで仕事の能力のアップにつながることが書かれています。集中力が長くなり、理解力が高まるなどがあげられます。

イギリスのサセックス大学の研究チームが、どのような活動がストレスの軽減に役立つのかについて調べる実験を行いました。心拍数の低下や筋肉の緊張緩和の程度を調べ、ストレスの軽減度合いを計測したものです。

その結果、音楽鑑賞が61%、コーヒーを飲むことが54%、散歩をすることが42%、ゲームが21%の軽減効果を見せたなか、読書は68%と最も高い数値をあらわしました。さらに、6分間の読書でストレスが3分の2以上軽減することも明らかになりました。

読書からは、人間関係のスキル(知識、行動、対処法)を習得することもできます。 社会のルールを理解したいなら下手な講義を受講するより、関連する本を読んだほうがはるかに役立つでしょう。

読書は、人の心を落ち着かせる効果があるため、毎日の読書によって、温和な生活が送れるようになるはずです。読書のデメリットなど考えられません。

読書をすることで、あなたの仕事や教養はもちろんのこと、人間関係や普段の生活、大げさにいうと、人生まで豊かになるのです。

あなたが、心を豊かにする1冊に出会えることをお祈りしています。
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尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
16作品目となる『頭がいい人の読書術』(すばる舎)を出版しました。出版後すぐに重版。amazon・読書術、図書館情報学2部門ベストセラー1位(2/14現在)。