こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
参議院・予算委員会が白熱する中ですが、過日に提出した香川県のいわゆる「ネット・ゲーム規制条例」についての質問主意書に対する答弁が返ってきました。
質問主意書及び答弁書の全文データはこちらから。
質問主意書を提出したのは初めてで、もっと木で鼻を括ったような回答になるかと思いきや。政府はそれなりに充実した内容を答弁してくれました。
多忙の中の対応、心より感謝いたします。
ただ結論から申し上げるとその答弁には、香川県の条例は地域を飛び越えて県外事業者にもその効力を及ぼす可能性が示唆されており、強い危機意識をもって受け止めなければならないものでした。
地方公共団体(自治体)が制定する条例は、一般的に「属地主義」と呼ばれる特性があり、当然のことながら当該地域でのみ効力を発揮するのが原則です。
ところが地域の垣根を超えるのがまさにインターネットというものですから、「当該区域外にある者でも、条例の規定となるものを所有・占有する場合、規定が適用されることがありえる」という内容はかなり衝撃的です。
7番の答弁と合わせると、東京などに数多く存在する「ネットを通じてサービスを提供する事業者」に対して、条例の効力が及ぶ可能性があります。
となるとこれはますます、「香川県だけの問題」として見過ごすわけにはいきません。
親の教育権を侵害して家庭に踏み込み、子どもの自己決定権を奪い取る本条例が、さらに当該地域外のネット・ゲーム事業者にまで影響を及ぼすことは、自由主義者会にとってはっきりと脅威であると言えます。
ただ一方で、答弁書の内容で前向きだった点もあります。
ゲーム依存症を防ぐために時間制限をかけることは、有効性及び科学的根拠が現時点では存在しないことが明らかになりました。
香川県の条例はエビデンスもない状態で突っ走っており、明らかに立法事実がないわけです。
ここは何度でも強調しなければなりませんし、香川県議会の方々にもぜひ今一度、その必要性を考え直していただきたいと強く思います。
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新型肺炎対策で一斉休校が発表され、多くの民間教育事業者が「遠隔授業・オンライン授業」を無料公開しており、学習が止まりがちな児童・生徒たちを救済しています。
仮にネット時間規制がかかれば、こうした遠隔授業活用の動きにも水が刺されるようなことになりかねません。
ネットやゲームは「使い方次第」で毒にも薬にもなりますが、画一的な規制は害悪になります。
こうした点も含めて香川県やそれに追随する秋田県大館市には再考を期待するとともに、全国にその影響が波及しないよう、参議院の審議でもしっかりと取り上げて提言して参ります。
皆さまも情報拡散や世論醸成で、ぜひバックアップいただければ幸いです。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年3月3日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。