全てが全てとはいかないけれども、頑張りましょう!

中田 宏

安倍総理が先月27日(木)に全国の公立小学校・中学校・高校、そして特越支援学校に臨時休校を要請し、今週から各地で臨時休校が始まりました。

3月4日8時時点の休校率
市町村立小学校     98.6%
市町村立中学校     99.0%
都道府県立高等学校   99.0%
都道府県立特別支援学校 94.8%

賛否両論が当然あるわけですが、以前、「ここは本当に踏み込むべき時期だと思うし、国民もそれを文句ではなく受けとめる必要があると思います。」と言った通り、国民は文句は言わず受け止める必要があり、政府は打てる手段は全部打っていくことが大事です。

仮に間違った方針だとすれば、社会としては事後に検証して、その後の教訓にする仕組みをつくる。そして、政治的には安倍総理自身が言っているように、結果責任を取ってもらうということです。

確かに突然の学校の休校というのは影響が大きいですね。共稼ぎ世帯、1人親世帯、障害児のいる家庭など、特に小学生の親は大変だと思います。そこで政府は、小学校や特別支援学校に通う子供がいる親への支援策を打ち出しました。これは子供たちの学校が休校になったために、社員が年次有給休暇とは別の有給休暇を取得した場合、日額8330円を上限に賃金の全額を受け取れるよう企業に助成金を支給するというものです。従業員以外にもフリーランスで働く人や自営業の人にも支給する方針です。

一方で、企業自身も大変な状況を抱えています。
中国からの観光客激減による旅行関係への影響は真っ先に出ました。さらに、安倍総理が2月26日に要請した大規模イベントなどの中止や延期の要請によって、イベントは相次いで中止になっていますし、外出も減っています。

フジテレビなどのFNNがツイッターで“ここ1~2週間、あなたの日常の外出の回数や時間に変化はありましたか?”という調査をし、外出が減ったと答えた人が全体の52.5%でした。当然ですけれども、小売業や飲食業などにも売り上げが大きく下がるという影響がでています。小売店がどんなものを売っていたとしても、その販売店の売り上げは落ちます。そして品物を供給する卸売業や、また、製品そのものを製造している会社の売り上げも減ります。また、段ボールなど輸送に関わるものも減るし、運送業の売り上げも当然減ることになります。

他にも、外食機会が減れば、その店の売り上げだけではなく、調味料の会社やあるいは肉・魚・野菜、それらの生産者・農家などの売り上げも減ることにつながります。

すなわち、全ての業界に影響がある

まだ先が読めませんから、当面の売上減を持ちこたえるだけの余力がある企業ばかりではありません。中小企業や個人商店などは資金繰りが大変になってくる会社も出てくるでしょう。

その対策として日本政策金融公庫が窓口になっている、幅広い業種に向けたセーフティネット貸付、宿泊施設や飲食業などに向けては、衛生環境激変対策特別貸付などか拡充されています。業務をテレワークに切り替える企業に向けては、都道府県の労働局が窓口になった助成金(時間外労働等改善助成金特例コースとして)を新たに設置されました。

今後も様々な対策が打ち出されるは思いますけれども、何でもかんでも全てが対象になるとは限りません。

「政府が悪い」「自粛要請なんかするからだ」といった政府批判や政府の責任追及もあります。「損失補てん」や「補償」などに関する声も上がっています。しかし、新型コロナウイルスが日本に蔓延をして、医療崩壊、経済崩壊になったらそれこそ社会崩壊になってしまいます。

ここは国の正念場、すなわち社会にとっても国民にとっても正念場という時期ですから、制度も活用しながら頑張るしかありません。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年3月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。