これをカオス(Chaos、万物発生以前の秩序なき状態)と言わずしてなんというのでしょうか?ウイルスという悪魔が世界を閉鎖し、人々は生きるだけという限界の制約を強いられ、あらゆる享楽を我慢し、ストイックになっています。そして、ひたすら陽が昇る日を待つということを世界中の人が待ち焦がれています。
3月11日は東日本大震災から9年という日でした。あの時の社会、経済への影響も甚大でしたが今回は日本の一部というレベルではなく、地球全般でそれが起こり、国家レベルで国民をフリーズさせ、一部の国家は移動を制約したり禁止しています。
この10年、我々はウイルスという言葉をよく使います。しかし、その多くはコンピューターのウイルスであり、一定の対策を取っていれば被害は最小限に食い止められるという類のものでした。今、世界で蔓延しているのは人間の体に入り込む本来の意味のウィルスであります。
もちろん、感染した人すべてが厳しい症状に追い込まれるわけではありません。致死率は2-3%であり、かつての伝染病と比べてもSARSに比べても決して高いものではありません。また、これは統計の見せ方なのですが、多くの報道は「本日の新たな感染者数」を大々的に報道し、退院した人の数をあまり報じていません。つまり、累計の数ばかりが目に留まり、マイナスする部分、つまり退院したり直ったりしている人の表現が抜けているのです。
これをネット表示(差し引きした表示)にしたら今日現在の感染疾患者はあれッというぐらい少ないのですが、報道機関はインパクトを重視するため、〇〇県で〇件発生した、というプラスの部分のみを大きく取り上げることにシャカリキなのであります。直った、回復しているということを取り上げない理不尽さを報道機関はどうとらえているのでしょうか?パンデミックをあおっているのは報道機関とも言いたくなります。
人間は全員が全員、賢いわけではありません。多くの人間はテレビやネットに映し出される報道を「真」と思い、(いや多くが「真」でありますが)それを見た人々は様々な判断、感想そして想像の色をつけていくのであります。これぞ本当のパンデミック(広範囲に及ぶ流行病)で私は新型肺炎よりも恐怖心をあおられているパニック状態にあるとみています。
株式市場はとんでもないことになっています。「溶ける」という表現がぴったり来ます。銘柄によっては毎日1-2割ずつ下がっていきます。一日でもそれだけ下がれば大騒ぎなのに毎日下がり、北米の銘柄によっては高値から既に5分の1、10分の1というものも出てきています。
株価にはバリュエーションという考え方があります。会社の価値を冷静にとらえ、それを株価に引き戻す方法です。多分、今、どんな銘柄を見ても大バーゲンでありましょう。日本の場合、3月下旬は配当取りの時期になります。今、配当率10%を超える銘柄のオンパレードです。その多くは減配のリスクがありますが、例えばメガバンクの配当は6%前後になっていて皆さんの銀行預金利息の何十倍、何百倍もの配当を頂戴できる絶好のチャンスなのであります。株価はこれ以上下がるかもしれませんが、これ以上上がる可能性の方がはるかに高いのはわかっています。
私は今、買う準備ができています。当たり前です。こんなチャンスは10年に1度しかありません。今買って明日下がってもなんとも思いません。底なし沼はないのです。
発信源の中国はじわじわとペースをとり戻しています。フル稼働に戻れる一番先の国になりそうな感じに見えます。
今回の混乱の主犯はWHOのテドロス事務局長と言いたいです。彼の中国を慮る不自然な判断、そして今になってパンデミックを宣言し、中国は虎視眈々と生産能力を回復し、「我々が皆さんの力になります!」と高らかに宣言するのが目に見えるようであります。国際機関の信頼も地に堕ちたものであります。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年3月13日の記事より転載させていただきました。