政府が、新型コロナウイルスのために所得の減った世帯を対象として、1世帯あたり30万円とするという。
安倍総理大臣と自民党の岸田政務調査会長が会談し、それを自己申告で行うということだ。これを聞くと、正規雇用のサラリーマンでも残業が大幅に減ったり、非正規雇用や中小企業者、フリーランスの人が幅広くもらえそうな話だったが、住民税を払っている範囲だとか、1000万世帯程度と後退して、自民党の有力政治家ですら「諸説入り乱れている」と困っているくらいである。
ちなみに、日本の世帯数は5000万くらいである(平均世帯人数は2.47人、世帯数は5042万5000世帯、2017年)。
私はまず、①収入が減っている世帯に絞る、②自己申告というのは良いことだと思う。なぜなら、公務員、年金受給者はもちろん、それなりの企業のサラリーマンの収入はそれほど減っていないし、一方、支出は使い途がなくて大幅減になっており、むしろ生活は楽になっているはずだと思うからだ。
サラリーマンは、残業は減っているだろうが、そのくらいでは、ローンの返済などができないほどではないはずで、基本給が減ってないとか、大ざっぱには30%程度以下しか収入減になっていない状態が2~3か月減ったくらいでは援助する必要はあるまい。
そして、日本ではマイナンバーカードも義務づけでなく、すべての収入が紐付けもされていない現状では、政府のほうから線をきちんと引くこともできないし、申告が正しいか審査するなんて言うのも時間をかけないと難しい。
となると、自己申告をさせてとりあえず現金を給付し、ただし、抜き打ちで審査を事後的に一定数して、嘘だったとか、嘘でなくても今年の所得が結果的に一定以上、減少していなかったら返金させるとか、ひどい嘘の場合は詐欺などで告訴するとかいうこともあって良いと思う。
また、サラリーマンの場合は、申請したことを勤務先に知らせて、チェックさせることだってあり得ると思う。
あるいは、とりあえず、貸し付けにして、事後的に問題がなければ返済免除にしてもいいと思う。
維新の足立康史代議士が出している案なども、いいと思う。
政府は生活困窮者の手挙げ方式による現金給付を検討中ですが、困ってることを迅速に審査できるとは思えません。そこで考えたのがマイナンバーを活用した事後審査による給付への切り替え制度です。社協の代りに消費者金融を活用し毎月10万円の政府保証融資を提供、3年の据置期間中に審査するのです。 pic.twitter.com/hrh2zbKT0C
— 足立康史 (@adachiyasushi) April 2, 2020
特に、マイナンバーカードとの紐付けは大事だ。そもそも配給制度が機能しないのも、公正な現金給付が速やかにできないのも、すべてマイナンバーカードの義務化と収入や資産との間の紐付けができていないからである。
せめて、今回の給付の条件に速やかな取得を義務づけることくらいはするべきであろう。
そして、所得制限はほとんど設けなくてもいい。30万円というかなりの金額では、逆差別の弊害が大きい。また、住民税非課税所帯とか言うと、高齢者に著しく偏った給付になってしまう。
子だくさんの所帯はどうするという話については、これは、別途の政策で調整すべきだろう。