政府批判より、医療関係者にエールを!

政府のコロナウイルス対策に文句ばかりつけて対案を出さないような人とは、付き合ってはいけない。そんなブログを書いたところ、「上から目線」だというコメントが届きました。

非常事態で収入が激減していて、文句の一つも言いたくなる人の気持ちを理解して欲しいということのようです。また、相手がウイルスだから、不安や不満のやり場がない。だから、ストレス発散に文句を言いたい人の心情を否定できないというのです。

確かに、私自身も毎日の息苦しい生活に、ストレスを感じています。しかし、今世界で続いているコロナウィルスと人類の戦いは、企業経営に例えれば、強力なライバル企業とのガチンコ勝負のようなものです。「コロナ株式会社」と「人類株式会社」の戦いです。

政府の対応を批判するのは、その戦いの最中に、人類株式会社の社内で人事抗争に明け暮れるようなものです。時期と対象がズレている気がします。

また、対案のない批判というネガティブなエネルギーは、個人的にはストレス発散と言うより、むしろストレスで、逆に気が滅入ります。

そんな時に、海外の医療関係者を鼓舞する活動の動画を見ました。

イギリスでは「Clap for Carers (医療・介護従事者に拍手を)」というキャンペーンが行われているそうです(写真はBBCのサイトから)。コロナ感染対策の最前線で働く人たちに感謝する人たちが、自宅から夜の8時になると一斉に拍手を贈る活動です。イギリス以外の国にも広がっているようです。

自らの感染リスクを負いながら、懸命にウィルスの感染拡大防止に日々努力する人たち。医療・介護関係者だけではなく、公共交通機関の運営、生活必需品の販売、清掃やゴミの収集など、たくさんの人たちは今日もいつもの仕事を続けています。

そんな人たちを応援する活動の方が、勇気と元気をもらうことができ、よっぽどストレス発散になります。

以上は、私の個人的な考えですから、SNSでネガティブなストレス発散をしたい人はすれば良いと思います。ただ、私はそんな人たちを批判するのではなく「ソーシャルディスタンス」を取りたいと思うだけです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年4月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。