経済政策:急げ対策!でも慎重に

東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に緊急事態宣言が発令されました。
私もそのエリアに住んでいますから、今じゃなきゃ駄目だということ以外は自粛をしたいと思います。

緊急事態宣言が発令された直後、ほとんどのテレビ局は夜7時から特別番組を放送し、安倍総理大臣の記者会見の模様も生中継していました。記者会見の冒頭、安倍総理は医療従事者への感謝を捧げていました。新型コロナウイルスの感染確認が取れた人は4,979人、退院した人が632人いらっしゃいます。
安倍総理の言葉通り、医療従事者の皆さんが、最前線で働いてくれているから、我々は安心できるわけです。それにもかかわらず、医療従事者への偏見や差別が現実問題起きているわけで、これには鬼畜(人を人とは思わない残酷や非道な行為者)のなす事だと思います。
私も、皆さんのおかげだと改めて感謝したいと思います。

さて、新型コロナウイルス感染症対策本部で、特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されました。そして直後に臨時閣議を開き、緊急経済対策を取り纏めています。政府としては緊急事態宣言と緊急経済対策を同時に発令したかったのかもしれませんので、緊急事態宣言の発令が遅れたのかもしれないと私は考えます。

損失補償については昨日ブログでも書きましたが、いずれにしても政府はリーマンショック時の56.8兆円を大幅に上回る108.2兆円、これは国内総生産(GDP)の2割に相当する緊急経済対策を打ち出しました。

一言で言えば、「会社を潰さない」「生活を潰さない」という点に重きを置いた内容です。すでに実質無利子の政策金融公庫の融資が始まっていますが、これに加えて売り上げが半分になった中小企業には最大200万円、個人事業主(フリーランス)に対して最大100万円の返済不要の給付金も打ち出しました。また、政策金融高公庫には融資相談が殺到したため、民間金融機関でも対応できる制度を新設しました。さらに税金や社会保険料の納付が難しくなった個人や中小企業向けに、支払いを猶予する制度も打ち出しました。申告して納付するほとんどが全てが対象で、延滞料なしで来年度以降に猶予されます。以前にもこのブログや他の番組で発言した通り、「借りれるお金は借りておいて、返さないで済むお金は返さないで」とはっきり言いましたが、まさに政府がその環境を整えていることになります。

また国民向けには、世帯当たり30万円の生活支援臨時給付金を出すことに決まりました。ただし、これは全世帯ではありません。対象は、住民税非課税の水準まで収入が減った世帯や収入の半分以下になって、住民税非課税の水準の2倍以下になった世帯です。子供の有無など不要人数によって異なりますので、これは個別に貰う人が調べてもらうしかありません。

企業にも個人にもお金を出す以上、何らかの基準や条件があるわけですが、テレビなどでは「不公平じゃないか」とか「矛盾じゃないか」などとあげつらってますが、税金出す以上はどこかで線を引くしかないわけですよ。

新聞にこんな話が載っていました。「食べに来る人が減ったので、テイクアウトを始めたので売り上げが対象水準まで下がらなかった」と言う飲食店の人のコメントが載っていました。「正直者が馬鹿見る」ではありませんが、自分でできる人は今はやりましょうよ。だけど、どうにも大変だという人のために政府は急いで欲しいと思います。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年4月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。