公明党の山口代表がきのう15日に安倍首相と官邸で会談し「国民に励ましと連帯のメッセージを伝えるべきだ」と、所得制限を設けなしの1人当たり10万円を支給を首相に要求。安倍首相も前向きに検討する姿勢を示した。
私は条件付きであるが反対ではないし、やるならいかなる所得制限も設けるべきでないと思う。所得制限をつけるなら必ずしも賛成できない。
私は基本的に「上策は困っている人だけに対策を集中すること」「中策は一律給付」「下策は消費税の引き下げとかゼロにする」と言ってきた。
そういう意味で、一部の減収世帯に限り、30万円を支給するのを柱とする2020年度補正予算が今月下旬に成立の見通しとなり、とりあえずは、私の考える上策を打つことになる。
それに次ぐ追加対策として、この給付をやろうと言うのだが、少し状況が落ち着いて人々の消費意欲が高まってきたときならありうると思う。消費意欲がないところに出しても貯蓄に回るだけだからだ。
ただし、これにお金を使うと、旅行業・外食業などの救済にまわるお金はそれほど大胆に出せなくなるだろうか、あまり予算を使わない方法で工夫するしかあるまい。
なぜ、所得制限を設けるべきでないかといえば、これは、経済対策や生活支援対策だけでなく、山口氏がいうように、「国民に励ましと連帯のメッセージをしっかり伝えるべきだ」という観点からはじめて理解できる方策だからであり、所得がある程度ある人が冷ややかに受け止めらるものでもあってはならないからだ。
私は財務省がさまざまな政策を打つときに所得制限を設けることは愚劣だと思っている。なぜなら、そういうものをもらうことで、富裕層、つまり、もっとも税金を払っている人も払った税金が自分たちの困ったときの助けになると実感してもらえるからだ。それがないと納税意欲を減退させてしまって、結局、財務省も損をすることになると思う。
消費税の減免とかゼロにするとかいう馬鹿げた提案に、富裕層がなぜ乗っかるかといえば、それは彼らにとって大きな利益になるからだ。消費の額はほぼ所得に比例するから消費減税ほど富裕層にとってありがたいことはないのである。
そういう意味で財務省には、消費税引き下げ要求に道を開かないためにも、所得制限なしに同意することを求めたい。
なお、消費税減免は、効果が出るのが遅いし、困ってなくて消費にお金に回せる人のほうに有利、所得に比例してたくさん減免になるわけで馬鹿げているにも程がある。さらに、ゼロにしろなどというのは、(本人にその意識があるかどうかは別として)裏社会に操られているのでないかと言ってやりたいほどだ。もともと、消費税は裏社会が一番嫌がるものなのである。