知っトク解説:今回は“リーマンショック”

中田 宏

リーマンショックとは、2008年9月にアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻して、世界の経済が大混乱になったことです。

リーマンが破綻した後はニューヨーク株式市場のニューヨークダウ平均株価は破綻直前に比べて43.4%、6469.95ドルまで下がりました。また日経平均株価は、破綻して半年後の2009年3月には、破綻直前から42.24%下がり、7000円台にまで下がりました。

日本の日経平均株価
2008年 9月12日 12,214.76円
2008年 9月15日 リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻
2008年 9月16日 11,609.72円
2008年10月27日  7,162.90円 (リーマン破綻直前比 ▲41.4%)
2009年 3月10日  7,054.98円 (リーマン破綻直前比 ▲42.2%)

リーマン・ブラザーズが破綻する前、アメリカでは住宅価格が下落し、優良客(プライム)層よりも下位層向けとして位置付けられる住宅ローン(サブプライムローン)が焦げ付き、もともと株価は大きく下がっていました。このサブプライムローンを組み込んだ住宅ローンの証券価格が下がり、投資銀行がその損失を抱える中で、投資銀行であるリーマン・ブラザースが破綻しました。

金融機関が破綻することは、経済の血液ともいえるお金の流れが滞ることで、経済全体が収縮していきます。
日本でも、単に「株価が暴落した」という事に留まらず、様々な分野の受注減、在庫調整、製造減、雇用削減、就職難となっていきました。

例えば、アメリカへの輸出は6割近くまで落ち込み、輸出全体も半分まで落ち込みました。そうなると、輸出をしてきた企業は軒並み赤字に転落します。当然、雇用環境は著しく悪化し、求職者(仕事を探している人)1人あたり何件の求人があるかを示す求人倍率は、リーマン破綻前(2008年8月)は0.86倍(一人当たり0.86社)だったのが、翌年(2009年)8月には0.42倍(一人当たり0.42社)まで下がりました。

また、信用不安のアメリカドルが売られ、急激な円高になり、リーマン破綻前には1ドル107円でしたが、その後1ドル70円にまで上昇しました。円が1ドル100円台の水準になり、株価が元の水準に戻るまで、日本では政権交代を経て、リーマン破綻後、リーマン破綻後から4年もかかりました。

もともとのリーマンショックはアメリカから始まったものでしたが、日本経済はアメリカよりも深刻な景気後退を経験することになりました。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年4月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。